チャレンジさせる人材配置

ーー ここからはホープ社の組織について伺っていきたいと思います。これまでどういった意図をもって組織づくりをされてきたか教えて頂けますか?

時津 まず一つ目は、私は自分よりも優秀な人と仕事がしたいとずっと思い続けていて、今もそれは変わりません。人材採用にはずっとコミットしてきました。

次に、先程の『ビジョナリーカンパニー2』の何が好きかというと、誰をバスに乗せるかという箇所も好きなんですが、どこに座らせるかということをすごく意識しています。それこそ組織にとってすごく大事なことだと思っています。

三つ目は、社員にはなるべくチャレンジングなことをさせたいと思っています。「えっ、このポジションにこの人ですか?」というように、振り子のように大きく動かすことは結構意識していますね。

ーー なるほど。抜擢人事ですね。

時津 私は組織を構造的に組み上げていくのがあまり好きではないんですよね。「任せたよ」って言われた人が、自分の好きなようにやれば良いと思っているんですよ。その人を活かすマネジメントは何だろうか、というのを常に考えています。

だから、主語は私ではなくてその社員側になることが多いかもしれないですね。もちろん、モニタリングは常にしますが、マイクロマネジメントではなくて、その人自身がどうやったら輝けるかを考えて、仕事のやり方などは基本的には任せています。

ーー 仕事を任された人が自律的に伸び伸びと仕事と向き合える組織で、これまで成長されてきたわけですね。ここで敢えて質問したいのですが、これから更に高い目標に向かっていく上で、組織としての課題は何でしょうか?

時津 色々なタイプの経営者がいると思うのですが、私は人にベットするタイプなんですよ。例えばAさんと一緒に働くとなったときに、やっぱりこの人を活かしたいと思うんです。Aさんにはマイナスな点がたくさんあるとしても、ちょっとしたプラスもあって、もしそのプラスが芽吹くとしたら、それに賭けたくなるんです。

でも、それで散々失敗していますし、嫌な思いも一杯しているんですが、やはり私が逆の立場だったら自分に賭けてもらいたいと思うはずなので、そういうやり方をするんですよね。

私は、人にチャンスを与えて、人の痛みが分かる人間でありたいなと思っています。多分、これからもそのやり方を変えきれないと思うので、社員に任せて、自律的に動いてくれることを望むんだと思います。

質問への回答に戻りますが、課題としては、まず圧倒的に時間がかかりすぎること。もうちょっと時間をかけてチャンスを渡せば、芽吹いてくるかもなっていう可能性を見たい気持ちがあるんです。

もう一つは、自律的に動ける人材は世の中的に少ないので、そういった人材に会うための採用にかける時間が私に足りていないのかもしれません。ただ一方で、もう少し待てば既存のメンバーが芽吹いてくるかもなと期待したい気持ちも強いんですよね。

人の持つポテンシャルを引き出したい

ーー 時津さんの中に、「人の持つポテンシャルを引き出したい」という、とても一貫した哲学を感じます。社員の方にとっては、自分の可能性を信じて待ってくれるという、かなり有り難い上司ですね。

時津 「待っている」と思ってくれているかは分からないですけどね(笑)。もうちょっと待てば伸びるかもという期待が結構あるのかもしれないですね。

社員は皆、若いですし、伸びしろがあるだろうと思っています。また、成長しないのが悪いのか、はたまた成長機会を提供できていない経営側の問題なのか、多面的に考えるようにしています。

ーー 人のポテンシャルを信じる時津さんの哲学と、創業初期から新卒メインで人材採用されてきたことが、今の組織やカルチャーを形成しているんですね。

時津 そう思いますね。私はなんというか、世の中に育てられたという感覚があって、社会の色々な優しい方からチャンスを頂いたと思っているんですよ。そのチャンスをつかめるかどうかはその人の能力や努力によると思うんですが、私は性善説で考えていて、そういうチャンスを与えていきたいなと思っています。

逆に言うと、そこはボトルネックかもしれませんね。これから100億、500億と事業が伸びていくときに、私自身も変わる必要があるかもしれません。

ーー なるほど。では、売上100億円を目指すために、必要な人材や組織とはどういうものでしょうか?

時津 多分、1年前だったら新規事業を作れる人材が欲しいと言っていたと思うんですよ。先程申し上げた通り、達成への道筋が見え始めて0→1が終わったので、今は、1から組織をつくって事業をスケールさせる力を持った人材に参画してほしいですね。

また、既存事業に関しては、もう一回組織をスクラップ&ビルドできるような人材を求めています。当社は新卒で入社したメンバーが成長し、中心になって活躍している会社なので、5~10%の「改善」は日々できていると思います。ただ、「大改革」を担うとなるとまだまだ成長が必要です。そのような大改革を担える人、自ら意思決定して推進できる人の力が必要になってきています。

意思決定できる人材を採用したい

ーー 意思決定ができる人材は確かに重要ですね。

時津 とても重要です。マイクロマネジメントしてカチカチに全部決めるよりも、「お前を信じるからやってくれ。最後は助けるから。」ということをやりたいんですよ。意思決定できる能力がないと組織の中で上には上がっていけないでしょうね。

ーー ホープ社の中で、どういう人物が成果を出せる人ですか?「意思決定」というお話がありましたが、他に必要な要素はあるでしょうか?

時津 変わりたいと思っている人と働きたいですね。これまで私は変化し続けることをすごく大事にしてきました。昔からの知人から、「ずいぶん変わったね」と言われることは最高の賛辞です。

これから当社は本当に目まぐるしく変わるだろうなと思っています。そういう変化のど真ん中にいるので、変化に対してストレスを感じない人と働きたいです。

それと、今の当社にない能力や経験を持った優秀な人と働きたいと最近は特に思います。既存のメンバーが芽吹くのを待つことは、これからも大事にしていきますが、第2創業期は、それだけではダメだと思っています。事業とメンバーがもっと大きく成長するためにも、そういった優秀な人に入社してもらって一緒に働きたいですね。

ーー その場合の「優秀」の定義とはどういった人物ですか?

時津 成功体験をたくさん持っている人、自分に自信がある人、ですね。これまでの経験から、自分や当社に対して社員のロイヤリティやエンゲージメントを高めることはできると思っています。ただ、中途入社やこれからの経営幹部に求められる「成功体験」や「自信」に関しては、今まで何をしてきたかという話なので、そこに関してはこちらではどうしようもできないですからね。

ーー 意思決定できる人材にもつながってくるかもしれないですね。自信がある人は意思決定します。むしろ、意思決定できる裁量を求めるはずです。

時津 それで良いと思うんですよね。当社も上場企業なので、やはりしっかり結果を出して世の中に価値を戻さないといけません。理屈や甘っちょろいことでは生きていけないんですよ。それは強く思います。

第2創業期の変化にチャンス有り

ーー 最後に、この記事を読者である、東京から移住して福岡で働きたいと思っている方に対して、どういう人と一緒に働きたいか、こういうチャンスがホープの中にある、などのメッセージを頂けるでしょうか?

時津 先程もお話ししたように、成功体験があって、ある程度自分に自信を持っている人と働きたいなと思います。そういう人にチャンスを渡して、光を当てるのが私の仕事です。

優秀な人が東京に負けない収入をもらって生き生きと暮らせる環境は提供できると思いますよ。東京から福岡に移るので「年収1,000万円を700万円で」というのが一番嫌いなんですよ。何なんだ、その300万円のスプレッドは、って感じですよね。

確かに地価とかは違うんでしょうけど、会社が健全に成長していれば、東京にいようが福岡にいようが同じ年収をもらうべきだと思っているので、「福岡だから何十%ディスカウント」というのは嫌だなと思うんですよね。

ーー おっしゃるとおりです。東京から福岡に移動したことで人の価値が変わるわけではないですからね。今のホープ社のフェイズとして、面白いポイントはどこでしょうか?創業期はゼロからの立ち上げが醍醐味だったと思うのですが、これからの醍醐味を教えて頂けますか?

時津 第2創業期と銘打って、「変える」というのを大きなテーマにしています。創業期以上のカオスになると思いますよ。創業のときから思い続けているのですが、よほどの成長市場か、変化を強いられる産業でなければ生き残っていけないと思うんですよ。当社はまさにそうですよね。変化を必要とされている会社なので、それだけガチャガチャ変わるということは、チャンスも同じだけ存在すると思います。

ーー その「カオス」というのは、事業も組織も変化の対象でしょうか?

時津 全部ですね。聖域はないです。経営チームですら、私自身の立場ですらその可能性はあります。会社を成長させることができなくて、社員に成長機会を提供することができないのであれば、私自身降りたほうがいいと常に考えています。経営チームも聖域ではないですね。どんどん変えていきたいと思っています。

ーー 自ら変化をつくって、そこに飛び込んで楽しんでいけるぐらいの人が活躍できそうですね。本日は貴重なお話しをありがとうございました!

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