AIロボットで認知症介護の課題を解決!
福岡で若者や女性が輝ける未来を作りたい
私たちは認知症に特化したデイサービス・老人ホームを福岡県内に4店舗、展開しています。利用者さんはもちろん、そのご家族や施設のスタッフなど、介護に関わるすべての人がハッピーになる未来を目指しています。
さらに、「超少子高齢化社会・女性の社会進出・若者の雇用創出」という3つのミッションを掲げています。
国のデータによると、2050年には国内の認知症患者増え続け、医療・介護の分野で930万人の人手が不足する。
そこで超少子高齢化社会による人材不足を軽減するため、AIを活用した認知症コミュニケーションロボットの研究開発を行っています。
また、「ワーキングマザーの働ける場所が少ない」という社員の意見を取り入れて、自社保育園を作りました。地域でも女性がイキイキと活躍できる場でありたい。
『ザ・ハーモニー』の社員の平均年齢は28歳。介護の仕事に思いを持っている若い人たちは、地域にもたくさんいます。彼らが都会に出なくても「ハーモニーで働きたい」と思える職場環境を整え、若者の雇用を創出していきます。
『ザ・ハーモニー』はケア事業部とテクノロジー事業部に分かれています。ケア事業部では、認知症専門の介護施設を飯塚市、田川市、嘉麻市で運営しています。
ある時、取引先の人に「ハーモニーさんって、認知症の方にしっかりしたサービスをしてくれるよね」と言われ、私たちの介護にのぞむ姿勢が認知症の方にとって効果的なんだと気づきました。それから認知症に特化したサービスを追及しています。
厚生労働省のデータでは2010年時点で200万人程度といわれてきましたが、高齢者人口が増えるとともに認知症患者数も増加し、2020年には325万人まで増加していると言われています。需要の高まりに先駆けて、特化型施設の運営で差別化を図っています。
テクノロジー事業部の方では、福岡市内のオフィスを借りて認知症の方向けのコミュニケーションロボット「コモモン」を開発しています。
認知機能がおとろえると、何かに集中することが難しくなっていきます。その中で会話はかなり脳を使うため、認知症のリハビリにいいというエビデンスが出ているんですよ。
「コモモン」は2018年からプロトタイプに着手し、今は自社施設などでテストを繰り返しているところです。2020年中には一般ユーザー向けのテスト機を出したいと思っています。
私はもともとファッションデザイナーを目指していて、専門学校を卒業し東京で就職しました。その後、本場を経験しようとイタリアへ。帰国後に田川市の実家に帰り、約8年ぶりに両親と同居しました。
その時、両親の老化を目の当たりにしてショックを受けたんです。正直、東京にいた頃は少子高齢化とか地域創生とか耳にしても他人事に感じていました。
地元に帰って初めて、介護って他人事じゃないんだなと。「これから両親はどうなるんだろう」と不安になりました。
その不安が無知からくるものだと気づき、独学で介護の勉強を始めました。介護施設を何十か所と見て回り、業界の課題も感じるようになりました。
よく「若い人材が不足している」と言わますが、そもそも若い人が働きたい職場環境になっていなかった。サービスの質にも疑問を感じることが多く、「ここに将来、両親を預けられるだろうか」と思ったんです。
今までの経験を活かして介護業界をアップデート出来ないかと考え、2012年に『ザ・ハーモニー』を設立しました。
「介護業界をより良くすること」を目的に事業を展開していることです。認知症の人が安心して過ごせる社会を作るために、必要なものは何かを考えて実践していく。
そのための施設であり、ロボットなんです。目的にしっかりコミットできていることが大きな強みですね。介護福祉領域って、実証実験のハードルが高いんですよ。
特にテクノロジー関連はデータが必要なため、個人情報などの問題があります。私たちには自施設があるのでそこのハードルがクリアしやすい。
新しい挑戦にも関わらず、高速でPDCAサイクルが回せることも強みになっていますね。
「介護に対する罪悪感をなくしたい」と思っています。介護って、家族がやるのがベストだという価値観がまだまだ根強いですが、本当は専門知識のあるプロがやった方がいいと思うんですよ。
早めにプロに介護を任せれば、老化のカーブを緩やかにすることができると言われています。しかし、施設に任せることに罪悪感を持つご家族もまだいらっしゃるので、そこを変えていきたいですね。
介護や老後に対して暗いイメージを持つのではなく、老後も自分らしく生きていけるという世界観になったらすごくいいなと思っています。
そのためにも、「コモモン」で認知症介護に関わる人の負担を減らしたい。今後も、テクノロジーでみんながハッピーになる価値を提供していきたいです。
創業して8年が経ち、若い人の中にも介護業界に熱い思いを持っている人がたくさんいると分かりました。でも、その思いを形に変えられる人が少ない。情熱を具現化できて、チームをマネージメントできる人材を強く求めています。
例えば、ケアの仕方においてAがいいと言う人もいればBがいいと言う人もいる。AもBも間違いではないけれども、チームでサービスを行うためには全員が共通認識を持ってやらないといけません。
なのでチームを引っ張れることができて、人を成長させることにやりがいを感じられる人材が必要です。介護未経験でもキャッチアップできれば問題ないので、そういう人に来てほしいと思っています。
会社の規模も大きくなってきて、私の声が直接届きにくくなってきました。経営と現場を繋いでくれる方に、ぜひ来ていただきたいと思います。
社会の課題は、東京より地方に山積しています。私が福岡に帰ってきて感じたのは、地方課題の根本的な解決は、その地に根ざした当事者じゃないとできないということです。
創業した当初は「なんで福岡で?東京でやった方がいいよ」とよく言われましたが、だんだん世の中の流れも変わってきていますね。東京の一極集中では、これ以上国の豊かさは追及できないことに社会も気づいてきたと思います。
近い将来、「なんで東京で働くの?」という空気が当たり前になっているかもしれません。そういう新しいスタンダードを、みんなで一緒に作って行けることはめちゃくちゃ面白いと思うんですよ。
地方だと同じスキルを持っている人が少ないから、自分の価値も最大化しやすいですし。そこが地方のウィークポイントでもあるんですけど、働く人にとってはチャンスだと思いますね。
Interview
入社以前にしていたこと
出身は長崎で、佐賀大学で大学院まで情報系の勉強をしました。そこから地元に残るか東京に出るか迷ったのですが、大企業ながらベンチャーっぽい風土に惹かれてソフトバンクに入社。
エンジニアとして開発チームに入り、プログラミングの知識をさらに深く学びました。ソフトバンク時代、社内ベンチャーを立ち上げるコンテストに同期と応募したことがありました。
そこでイノベーション思考を知り、「こういう世界があるのか」とわくわくしたんです。それまで淡々と技術を身につけるだけだったのが、技術を使って世の中の課題を解決したいと考えるようになりました。
その後、さらに技術を磨くため1年ほどベンチャー企業で働いた後、『ザ・ハーモニー』に転職しました。
入社した理由
『ザ・ハーモニー』との出会いはたまたまでした。転職エージェントを通して、代表の髙橋からメッセージが届いたんです。当時は介護に関する知識もなく、乗り気ではありせんでした。
ただ、ゆくゆくは福岡に戻るつもりでしたし、妻の実家が田川市で『ザ・ハーモニー』の本社がその隣の飯塚市だったので「話だけでも聞いてみようかな」と。
オンライン面談で代表と話して「熱いな」と感じました。過去に色々なベンチャー企業を見てきて、社長の「何かしたい」という思いが一番の原動力だと感じていたので、いいなと思いましたね。
一番の決め手になったのは事業内容です。入社前に施設を見学した時、介護業界はこのままじゃいけないという課題感を、代表も現場の人もみんなが持っていた。ここなら、自分たちが施設を運営して感じた課題を、そのまま開発に活かせるだろうと。
実際の現場を見て、認知症の方の大変さもまざまざと感じました。施設をもっと居心地良く楽しい空間にするために、テクノロジーで何とかしたいと思ったんです。
今、取り組んでいること
今は、「コモモン」のプロトタイプを施設や利用者さんのご自宅で使ってみて、うまくいかなかった部分を調整してまた持って行って……という作業を繰り返しています。
ロボット開発は初めての経験なので、問題の解決方法を1つずつ調べて地道に改善していくのが楽しいですね。「コモモン」がいることで、介護に関わるご家族もハッピーになってほしいんですよ。
ロボットだけれども、機械的じゃないコミュニケーションが取れることを目指しています。利用者さんとちゃんと会話ができているかとか、楽しそうにしてもらっているかを大事にしながら開発しています。
『ザ・ハーモニー』に合うエンジニアは、ユーザー目線をちゃんと持っている人ですね。ロボットと利用者さんが話しているのを見て、そこに付随してくる課題もちゃんと見える人。
スケジュールやマネジメントなど外堀の部分は私がやるので、どんどん手を動かしてもらいたいです。新しいものが好きで、ポジティブな人が合う会社だと思います。
入社以前にしていたこと
20歳ぐらいの時に介護の資格を取りました。母が介護業界で働いていたので、「取りなさい」と言われて(笑)。そこから、訪問してごはんを作ったり掃除したりする、生活援助の仕事を3年ほどやりました。
慣れてきたのでそろそろ身体介助を、となってやってみたんですが、若かったこともあり「自分にこの仕事はできない」と思ってしまって。それで1度、介護から離れたんです。
その後は、子育てしながらケーキ屋でパートをしていました。でも毎日同じことの繰り返しで、「このまま一生過ごしていくのは嫌だな」と。資格も持ってるし、もう一度だけ介護に挑戦しようと思って見つけたのが『ザ・ハーモニー』です。
人見知りする性格だから新しい施設がいいなと思っていて、ちょうど1店舗目がオープンすると聞いて面接を受けました。
入社した理由
パート採用だったので、最初は「合わなかったら辞めよう」ぐらいの気持ちでした。仕事は利用者がまったくいない状態からスタートして、営業のためにテレアポしたり手紙を書いたり。
「この会社、本当に大丈夫?」と思って、何度も辞めようとしました(笑)。当時のメンバーで「一緒にがんばろう」と言ってくれる人がいたから留まったんですけど。
仕事に慣れてからも、「私は一生ここでパートで働いていくんだ」と思っていました。自分が今みたいな、エリアマネージャーや正社員になれるとは想像もしていなかったですよ。
1年後に2店舗目ができるという話になって、代表に「松尾さんは次の店舗のマネージャーになれますよ」と言われて。そんな風に期待されてるとは思ってなかったので嬉しくて、そこから意識が変わっていきました。
今、取り組んでいること
今は全店舗の統括の管理者をしています。正社員になった当時は保育園の延長保育を利用していたんですが、園からからいつもお迎えが遅いと言われていました。
その時、「私は働きたくて働いてるのに、周囲に認めてもらえなかったり、子どもがいる女性が働ける環境がなかったりするのがすごく嫌だな」と思ったんです。
そういうのを変えていきたくて、自社に保育園が欲しいと提案して、作ってもらいました。やっぱり地域だとなかなか、女性が活躍できる場が少ないですから。子どもがいる・いないに関わらず、女性が輝ける場を作りたいと思って、今やっているところです。
『ザ・ハーモニー』では、思いや芯のある人が長く働けるのかなと思います。世の中の変化に合わせて会社もどんどん変わってきているので。その変化に対応するためにも、「何でここで働きたいのか」という芯の部分を大事にしてほしいなと思います。
福岡県飯塚市上三緒49番地1
3,790万円
1億1百万円(2020年3月期時点)
高橋 和也
2012年4月
40名
介護/IoT/ロボット/AI
YOUTURNからのコメント
comment
介護業界のデジタルトランスフォーメーション推進する!
高尾大輔
YOUTURN 取締役 キャリアコンサルタント
介護施設とは思えないほど、コーポレートカラーの「オレンジ」が放つ鮮やかさと、若いスタッフの活気に溢れた雰囲気を持つザ・ハーモニー。
世界最先端のスピードで、超高齢化社会に向かっている日本で注目される介護領域において、着実に施設運営の実績を作りながらAIロボット開発にも挑戦。
また、「福岡で若者と女性が活躍できる場を提供しながら、介護業界にイノベーションを起こす」という強い意志を持つ創業者の髙橋代表。
親しみやすい人柄とは裏腹に、スタッフの働く環境を考え、敷地内に保育園を作ってしまったというストーリーに代表される、実行力に長けた経営者です。
未経験から介護現場に足を踏み入れ、その現場で発生する課題からロボット構想を立案。自社施設という優位性を生かして、実証実験を繰り返してきました。
IoTの領域ではかねてより、現場での実験のデータ蓄積やPDCAサイクルに時間がかかることが課題があるとされてきましたが、自社で介護施設を運営している同社ではそのスピードは段違い。
介護に関わるすべての人々をハッピーにするために、地に足をつけながら着実に事業を成長させ、福岡から介護業界のDXを推進していく。今後の展開に目が離せません。