介護業界にIT革命を!
現場の負担を減らし社会課題を解決
私たちは、オンライン上で介護事業所を探せるシステムを運営しています。介護は、超高齢社会に向けて注目を集めている業界です。しかし、ただ単に利益を求めるとどうしても短期的な目線になってしまい、解決できる課題も小さくなります。
これまで介護現場で活躍する多くのケアマネジャーにお会いして感じたことは、人に寄り添う感情的な仕事は得意でも、分析や調整、管理などの論理的な仕事に苦手意識がある方が多いという印象でした。
論理的な仕事はAIの得意分野です。AIに助けてもらえば、スタッフは利用者に寄り添う感情的な仕事に集中でき、利用者も嬉しいはず。そこで事業所の業務負担を軽くしたり、利用者の生活をよりよくするためのITサービスを提供しています。
私たちの運営している介護の地域資源情報を集約するプラットフォーム「ミルモネット」は、ケアマネジャーが介護事業所を探せるサービスです。
事業所側が自分たちの情報を詳細に掲載することができる上、ケアマネジャーもさまざまな情報を追加できるようになっています。
個人では把握することに限界があった情報を透明化し、数ある施設の中から利用者にとって最適な事業所が選べるようになりました。
また、ケアマネジャーの負担を軽くするケアプラン作成支援AI「ケアプランアシスタント」も開発しています。
利用者と面談して得た情報をシステムに入力すると、医療看護・介護・リハビリの知識を学習したAIが文章を解析して、ケアプランの選択肢や文言を提示します。
知識の不足や偏りを補うことができてより精度の高いケアプランが作れたり、作成の負担を軽減して相談援助に注力できるようになると期待できます。
また、自身に不足した視点を得ることもできるため、教育の機会にもなるのではないかと考えています。
さらに人材不足が課題になっている介護業界の助けになるような、人材紹介などの事業も立ち上げている最中です。ただ人を紹介して終わりではなく、業界に人を定着させるためのマネジメントを含めたサービスを考えています。
私は日本の教育システムに納得できず中学・高校で不登校をしていた時期があります、その際に同じ環境化における同級生やマイノリティが生きづらそうにしており社会に大きな違和感を持つようになりました。
一度ドロップアウトすると社会復帰が難しく、負のループに陥ってしまうのは社会の損失ではないかと感じたのです。
その後、大学を卒業後HR系のITコンサルタントとして就職しさまざまな業界を見るうち、介護業界の異様な離職率の高さに気づきました。なぜだろうと現場に行ってみて、ITの浸透率の低さに驚いたんです。これでは職員の負担が大きすぎるなと。
同時に、現場の方々の優しさや誠実さも感じ、彼らがしっかり稼げる仕組みを作らなければいけないと思いました。
私が人生で感じてきた、違和感の解決策が詰まっているのが介護業界です。ただし官製市場である介護業界向けのプラットフォームを展開するには自治体の協力が必須で、最初に協力を得られたのが福岡だったため、2013年に福岡でウェルモを設立しました。
一番の強みは、ウェルモが介護事業所の大規模なデータを集めているということです。福岡市で実績を作ったあと、他の政令指定都市から「うちでも作って欲しい」と話が来て、今は横浜市や札幌市などに拡大しています。
このデータベースが全国規模になれば、競合は入ってくるのが難しくなるでしょう。また、創業当時は福岡で介護事業をやっている人が少なかったため、業界未経験の社員をゼロから育てる必要がありました。
しかし今は、IT企業、コンサルティングファームや大手商社、地銀などから様々なキャリアの人材が集まってきています。会社の規模が大きくなるにつれ、優秀な人材が増えたことも強みだと思います。
私たちの作った「ミルモネット」という介護サービスプラットフォームを介護業界のインフラにして、介護保険の持続可能性と利用者本位の実現していきたいです。
かつ、自社で研究開発を行っている人工知能のケアプランアシスタントのリリースにより属人性の解決や社会保障費の適正化をしていきたいと考えています。
そして私たちは、本来政府が行うべき官製市場の失敗を修正しようとしています。それには長期的な視点が必要です。
介護の現場では戦前を生きた方にも多くお会いするのですが、彼らは本当に「世のため人のため」という精神が強い。この二つの視点と精神を大切にし、これから地球上の様々な先進国の高齢化課題を解決して幸福にしていきたいです。
大きな課題は、介護の専門性とITの専門性の両方を持っている人が少なく人の成長と事業の成長は比例するところがあるのですが中々そういった人材確保が今までITを使ってこなかった介護市場の構造上難しいという点です。
また介護は大企業を含め様々な企業が入りたい領域ではあるのですが、規制も強く行政との連携がないと難しい。そこで、すでに実績のある私たちに様々な大企業や自治体からお声がかかります。
必然的にプロジェクト数が増え、それに対応する人材が不足しています。また、徐々に選択と集中の難易度が上がってきていますね。
ウェルモに「いるべき理由がある人」は、働きやすいんじゃないかと思います。社会課題を解決したいという思いは、マズローで言う個人の自己実現がある程度できていないと持てません。それができている人が集まっているのがウェルモです。
特に介護は、語弊があるかもしれませんが正直に言うと私たち世代が作った問題ではありません。
人口動態の崩れから始まり、元々の制度を作ったのも、持続可能性においてうまくいってないのも過去の構造的な問題が表面化しているということが本質です。
最近の有効求人倍率が訪問介護においては13倍、これは構造上の問題で介護保険制度の在り方自体の見直しが必要かと思います。私たちが高齢者の時代になったときに、どういう社会になるのか。この世代は不安が強いかと思います。
だからこそ「誰かが解決してくれるのを待っていてもしょうがないし、自分たちでやろう」と、自分事で語れる人に来てほしいですね。
入社以前にしていたこと
私は大学まで福岡で過ごし、就職で東京へ出ました。もともと福岡で働きたいと思っていたのですが、説明会で出会った企業の人がすごく面白かったので、東京のスカウト・ヘッドハンティングの会社に入りました。
5年働き、そろそろ福岡に帰るか東京でもう一社経験するかを考えて、帰る前に人事にキャリアチェンジしようかなと。当時、黎明期だったソーシャルゲームの会社に入りました。
そこで中途採用や大規模なグループ人事、子会社の立ち上げなどさまざまな仕事を経験した後、30代の初めにウェルモに入社しました。
入社した理由
まず、結婚や子育てを考えたとき、東京より福岡がいいと思ったんです。23区内で結婚して家を買って……って考えると結構年収が必要で、稼げなければ一生満員電車が続くというのは嫌だなと。
色々計算し、仮に給料が東京の7割でも、福岡の方が豊かな生活ができると思いました。でも、福岡で人事の求人ががあまり出てこなくて。
やるならベンチャー企業で1人目の人事がいいと考え、探していたらウェルモを見つけました。母がケアマネジャーをやっているので、私にとって介護は身近な業界です。会社も面白そうだし入ってみようという感じでしたね。
今、取り組んでいること
メインは人材の配分です。採用も含め、人を何とかするのが私の仕事。場合によっては「ここに人を増やしたい」と言われても、効果が薄いと判断すれば「他の方法はないのか」と現場のマネジャーたちと壁打ちすることもあります。
一方で、全社的に伸ばしたい分野があるなら「そっちに人を寄せた方がいいですよ」と直接経営陣に提案したり。いろんなことが日々動いており、週によってミーティングの内容も変わります。
私は手元にボールがあるのが苦手なので、他のメンバーに協力してもらいながら仕事を進めることが多いです。
介護はこれからの日本で更に必要とされる産業です。事業は始めるタイミングもかなり重要ですが、データベースのインフラ作りは、今がまさにその時期だろうと。あとは、どれだけ現場や利用者の声を反映させ、範囲を広げていけるかですね。
個人的なキャリアとしては、「食いっぱぐれない人」になりたいと思っています。今までも転職の基準はずっと「継続的に食べていけるか」だったので。
キャリアって、自分で描くんじゃなく、ご縁でそうなっていくと感じています。頑張っていれば話が降ってくるし、やりたいと思い続けていればやれるだろうし。そうやって、今後も多様な働き方を実践していきたいですね。
入社以前にしていたこと
小学校からずっと野球をやっていました。最初は一番好きなことを仕事にしたいと、野球の指導員になったんです。全国で子ども向けスポーツチームを運営している会社に入り、地方の野球チームの新規立ち上げを経験しました。
指導をする中で子どもたちの成長を目の当たりにし、自分ももっと成長したいと思い、3年後に転職しました。次の仕事は求人関係で、福岡の事業の再立ち上げに参加しました。
入社の決め手は、福岡で働けることと企業理念が「成長」だったからです。仕事は充実していましたが、数年で東京に異動が決まってしまって。「福岡のために何かしたい」という思いが強くなっていたので、退職してウェルモに入りました。
入社した理由
福岡でこれまでの自分自身の経験を生かし、社会課題を解決したいと思ったから。
あとはスタートアップだったことも大きいですね。大規模な組織ではなかなか経験できないことを、最短距離でできるのがスタートアップの魅力ですから。
求人会社にいた時に感じていた介護業界の課題に挑み、会社と一緒に自分も成長したいと思ったんです。
代表の鹿野は、初対面の時からフランクで接しやすかったです。それに知見が広く、色々と勉強して多方面から介護の社会課題を見ている。覚悟を通り越して、この業界で「やり切ってみせる」という姿勢を感じます。
今、取り組んでいること
新しく立ち上げたばかりの、人材紹介サービスや人事コンサルに携わっています。新規事業には自分から加わりたいと手を上げました。私の今までの経験を生かせば、もっと「福岡のために」を体現できると思ったので。
社内からも現場からも期待してもらっている事業ですし、私自身すごくわくわくしています。
事業の立ち上げは地道な作業なので、まずは形にしたいですね。足元が弱いまま始めて途中でなくなるのが一番よくないと思い、今は現場で情報を集めて積み上げているところです。持続可能な事業にするため、コツコツと準備しています。
人事とテクノロジーを掛け合わせたHRテックのサービスを通じて、事業所の方たちの人材マネジメントや経営をサポートすることが目標です。
私自身の目標は、ウェルモで色々チャレンジしながら成長し、社会にインパクトを与えることに向かっていけたら。福岡のため、社会のため、悩んでいる人のために、これからも力を発揮していきます。
福岡県福岡市博多区博多駅東1-17-1 福岡県福岡東総合庁舎 4F
東京都千代⽥区内幸町1-1-6 NTT日比谷ビル4F
170,200万円
⿅野 佑介
2013年4月
名
介護/福祉/児童発達⽀援、放課後等デイサービスの運営等
YOUTURNからのコメント
高齢社会の課題をユーザー視点で解決していく
高尾大輔
YOUTURN 取締役 キャリアコンサルタント
高齢社会の到来に伴い、介護業界は日本でますます重要になる一方、現場が労働集約で非効率であることは重要な課題です。
その非効率をテクノロジーで解決していくのがウェルモ。介護に従事する働き手と介護サービスを受ける人たち、どちらも生き生きと楽しくやりがい持って働ける社会を作ろうとしている会社です。
CEOの鹿野さんが多方面に造詣が深く哲学的な方であることは、ウェルモの会社のあり方にも反映されています。資本主義の構造に問題意識を持っており、企業側のロジックではなく、お客様やユーザーの役に立つかというモチベーションで事業が推進されていきます。
そのような姿に共感できる方はとても情熱を燃やせる場所でしょう。