私たちは、全国30か所に拠点を持つデロイト トーマツ グループの九州拠点として、ベンチャー企業支援や大企業へのコンサルティングなどを行っています。
特に、ベンチャー企業の成長支援に様々なプレイヤーが参画し、共生し、次のベンチャーが生まれやすい土壌を作る「ベンチャーエコシステム」を地方にも作ることを目指しています。
地方のベンチャー企業が成長し、雇用を作ることは地域経済に貢献できる1つの方法だと思います。私たちは、デロイト トーマツの全国ネットワークを使いつつ、地域に根ざした企業支援を実践しています。
私たちのミッションは、九州全体のローカル・イノベーションエコシステムの構築です。ベンチャー企業支援を通し、地域経済の活性化に結びつけることを目的としています。
また私たちの経験やノウハウ、現場の課題を国や自治体にフィードバックし、行政の支援政策の提言にも繋げています。
さらに、全国で培ったネットワークを元に大手企業向けのイノベーションコンサルティングも実施。九州ではまだ少ないですが、大手の新規事業をスタートアップ企業と連携して展開するプロジェクトも進めています。
ベンチャー企業が目指す世界観を、しっかりとビジネスに結び付けられれば、そこに参画する企業や人々が増えて好循環が生まれます。組織を超えて地域経済の成長を目指すプラットフォームになるべく、九州全体でベンチャー企業が活性化する環境作りを進めています。
1997年に有限責任監査法人トーマツからスピンオフして、トーマツ・ベンチャーサポート株式会社（現 デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社）の福岡での設立に携わりました。
当時、東京を初め同様の目的を持つ別会社が存在しており、それぞれの地域の中でベンチャー支援に動いていたのです。しかし全国にインパクトを与えるためには支援の連携が必要と考え、1つの会社に統合し、情報も含めた行き来をするようになりました。
東京発信の福岡支店という立ち位置ではなく、九州に必要なことを最優先に考えたベンチャー支援を実践しています。（現在は、ベンチャー支援からIPO支援までワンストップで行うため、有限責任監査法人トーマツ福岡事務所の一部門として業務提供をしています）
私自身は、もともと会計士として監査法人に入り、大手企業の監査をしていました。福岡でキャリアを重ねる中で、成長や挑戦したい人たちに接する方が自分に合っていると気づき、10年ほど前からベンチャー支援を行うようになりました。
97年に立ち上げて20年強、ずっとベンチャー支援を続けていることですね。そんな企業は他にないと思います。ベンチャー企業は景気の影響にかなり左右されます。
ベンチャーブームの時は人が集まりますが、ブームが去るといなくなる。そんな中で20年続けてこられたのは、信頼を得られている証拠だと思います。
また、東京のチームと一体になって人材や情報交換を行っているため、九州エリアの中ではトップクラスのネットワークがあると思っています。
また、国内だけではなく、シリコンバレーやイスラエルなど海外のチームとも連携しています。地域に根ざしている我々が本音ベースで企業の課題を引き出し、そのソリューションを全国、世界から提供できることは大きな強みですね。
私自身、福岡が半分、残りは九州もしくは東京で動いています。そこで感じるのは、福岡や九州だけで閉ざしてしまうのは良くないし、東京のやり方だけを持ちこんでもうまくいかない。
東京のやり方を真似するのではなく、ローカルでしかできないことや価値を作っていきたいですね。
人はそれぞれ生い立ちも含めた事情があって、それぞれの地域に住んでいます。しかし、仕事のことになると一直線に語られて、ゴールが東京になってしまう。
そうではなくて「福岡や九州だからこそできる」というローカルの価値を作りたいのです。全国の地域でそれが実現できれば、日本全体が強くなれると思っています。
福岡を中心にベンチャー企業で働く人が増えていますが、それでも九州はまだまだ安定した仕事に就職する方が大多数です。そんな中でチャレンジするのは不安があるし、視座も低くなりがちです。
福岡で一番になることも大事ですが、もっと幅広く、より高い目的のために動ける人が九州に増えてほしい。一緒に視座を高めてほしいし、その高めた視座の実現のために、我々が持っている知見やネットワークを全部使っていきたいと思っています。
目指すのは、地球規模で考え、地域に根ざした行動をする「グローカル」思考。自分たちが「これでいいや」と思ってしまったら地域経済もそこで止まってしまうので。常に挑み続けることが課題であり、やるべきことだと感じています。
九州は住みやすいところですが、仕事の部分で不安があって踏み出せない人は多いと思います。そこを補填するのも我々の役割。
私たちがベンチャー支援を通じて、九州の魅力的な企業を発信し続けるつもりです。九州の人って、お節介な人が多いのです。見返りを期待してなくても、お節介がぐるぐる回って結局返ってくる。そこがビジネスの上でも強みであり、魅力だと思いますね。
これから移住を考えている人には、東京での経験に自信を持ってほしい一方、それをただそのまま持ち込むのではなく、地域に合わせたやり方に変換・昇華して、九州でしか生み出せない付加価値を一緒に作ってもらえたら嬉しいです。
Interview
入社以前にしていたこと
出身は太宰府です。大学進学のため上京し、就活で唯一面白そうだと思ったのが都市計画を手がける建設コンサルティング会社でした。
学部が文系だったため入社できないと思い、理系の大学院に進学して都市計画を勉強しました。すると大学院のOBに、そこの子会社のシンクタンクで働いている人がいたのです。
シンクタンクでは発展途上国を中心とした海外の経済・産業開発や企業誘致など、都市・地域と産業を掛け合わせた事業をしていると聞き、面白そうだと思いそちらに就職しました。
入社後、1年の半分はアジアやアフリカの国々へ出張して、発展途上国で新しい産業を作る仕事をしていました。公的な中小企業支援施策や融資制度を作って動かして検証したり、民間企業の委託を受けて海外展開のサポートをしたり。
6年ほど働いた後、福岡に戻ってトーマツに転職しました。
入社した理由
前職の仕事は好きでしたが、色々な国に行くぶん、自分の足はどこについているのか分からなくなることがありました。30歳になった時に「これからどうしよう」と考え、自分がコミットしたい地域に特化して仕事できたらいいなと思ったのです。
じゃあ故郷の福岡に帰って、九州のために仕事をしようと決めました。
前職の経験から、世界における先進国と途上国、日本の首都圏と地方は同じ関係性だと感じていました。福岡でも、基本的には首都圏を中心に経済が回っており、地方独自の産業が育っていかないと活性化は難しいだろうと。
トーマツの求人を見た時、自分の考えとぴったりな会社だと思い入社を決めました。
今、取り組んでいること
九州のスタートアップや中小企業の海外展開を主に担当しています。入社して感じたのは、新しいチャレンジにすごく前向きなことです。思いついたことをすぐシェアして、形にできる企業文化がありますね。
全国的な組織でありながら、福岡や九州に思い入れがある人たちが集まっていることも特徴的だと思います。
今後は、さらにグローバル路線を強化していきたいです。九州から海外を見ているベンチャーはまだ多くないので、起業時から海外を視野に入れている企業を増やしたい。
また、九州の学術機関の技術で世界の社会課題の解決をはかる事業も進めています。今はアフリカの社会課題を学術機関の技術で解決するプロジェクトをやっています。
「地球規模の社会課題解決を九州から」という旗を掲げ、そこに大学や企業など色んなプレイヤーが集まってくれるので面白い。九州から世界に向けた事業をどんどんやっていきたいです。
入社以前にしていたこと
新卒で大手人材派遣会社に入り、経営企画などを担当していました。その後、個人でWebサービスを立ち上げたり、友人と起業したり、スタートアップに取締役として入ったり、色々なベンチャー企業で働いてきました。
数名規模から数百名規模の会社まで規模感も様々で、経営企画やWebマーケティング、資金調達や採用まわりなど何でもやりましたね。最後にフリーランスでベンチャー企業支援をした後、自分の経験を地域の活性化に役立てられないかと考え、東京を離れて福岡に来ました。
もともと福岡には縁もゆかりもなかったのですが、ベンチャー企業の土壌があって、ベンチャーが地域の活性化を引っ張っていくモデルになる可能性がある場所を考えた時に福岡だろうと。
YOUTURNの高尾さんにもご相談させて頂き、何度か訪問して街自体もすごく気に入ったので、仕事が見つかり次第引っ越そうと準備をしていました。
入社した理由
トーマツとの出会いは、転職活動中に面接した会社の方から「橘さんだったらうちよりトーマツさんが合いそうだね」と言われたことです。
そのまま当時のトーマツの採用担当に連絡を取ってくれ、翌日すぐ話を聞きに行きました。こんなつながり方も福岡らしさだなと思いましたね。
入社の決め手は仕事内容です。私の様々な経験を、スタートアップや第二創業期の中小企業など、熱意を持った経営者の方々に幅広く役立ててもらえ、さらに自分自身もレベルアップできそうな仕事ができることに魅力を感じました。
面接より面談のような感じで複数の方に色々話を聞かせてもらったので、入社後のギャップは特になかったです。むしろ、期待していた通りだったので驚いているくらいですね。
今、取り組んでいること
Webマーケティングや採用支援を中心にやりつつ、資金調達や事業計画書の作成サポート、スタートアップ支援施設の集客やイベントの企画など、多種多様な業務に関わっています。
東京は人も情報も豊富で、ベンチャーエコシステムが出来上がってきていますが、福岡はまだまだ不足していることが多い。だからこそ支援のしがいがありますし、マーケットを作っていく楽しさもありますね。
福岡にはUターン・Iターンで来ている人が多いので、「東京から来た」と言っても自然に受け入れてもらえます。福岡の人に素直に「本当にいい街ですね」と言うとすごく喜んでくれますし、他県から来る人に対する受容度が高いのかなと感じています。
入社以前にしていたこと
出身は佐賀です。大学で東京に出て、総合化学メーカーに就職し6年ほど人事を経験しました。最初の4年は東京で採用を担当し、それから北九州に転勤して、工場の従業員約1000人の人事全般を担当していました。
社内のルート的に、1度人事に配置されたらその後もずっと人事であることが多く、このまま一生ここにいたいだろうかと自問していました。社内でのキャリア展開も魅力的だと思いながらも、他社の情報収集を始めました。
大手以外のところも見てみようと何社かスタートアップの面接を受けたり、スタートアップ企業が集まる場にも行ってみたりしました。そこで、大企業では出会わなかった熱量が高い人たちと知り合って、すごく刺激をもらったのです。
私もそういう熱量の高い環境で仕事をしたいと思ったことが、ベンチャー支援に興味を持つきっかけになりました。
入社した理由
もともとは九州と東京で転職先の情報収集をしていて、もし九州に選択肢がなければ東京でがんばろうと思っていました。しかし一方で、将来的な子育てなどのライフイベントを考えると、地元にいたいという思いもありました。
前職で北九州にいた時、育ってきた九州への愛着も湧いて、もし九州で面白いことができればすごくモチベーションになるだろうと感じたのです。
トーマツは、知り合いのつながりで紹介してもらいました。ベンチャー企業をひたすら支援して関係を作ってく仕事内容に加え、面接で出会った方達が皆さん熱量を原動力に動いていることに魅力を感じて入社しました。
今、取り組んでいること
大きく2つの事業に関わっていて、1つは行政や大手企業と連携したアクセラレータープログラムやビジネスマッチング事業。もう1つは、第二創業期の中小企業やベンチャー企業のハンズオン支援です。
前職の経験を活かして、人事制度や採用関係を中心にサポートをしています。社内に「地元企業を支援したい」と強く思っている人たちが集まり、それを後押しする組織になっているので、すごく楽しいです。
今の目標は、経営者の方が困ったときに「声をかけてみよう」と思われる存在になることです。そのためにもっと経験を積んで、特に人事・広報ベースで頼られるようになりたいです。
福岡市中央区天神一丁目4-2 エルガーラ
104,100万円
1145億円（2020年5月期）
國井 泰成（包括代表）
1968年5月
6912名
ベンチャー支援/コンサルティング
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/audit/audit.html
YOUTURNからのコメント
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九州を愛するプロフェッショナルたちが描く、世界との架け橋！
高尾大輔
YOUTURN 取締役 キャリアコンサルタント
国内だけでなく、海外も含めて広く強固なネットワークを持つデロイトトーマツグループにおいて、九州でベンチャー支援をされている皆さんは全員が地域を愛し、九州を盛り上げるために働いている。インタビューの中でその強い決意を感じ取ることができました。
そして一人一人がビジネスマンとして様々なキャリアを積み、その強みを存分に発揮し力強く企業のサポートをされています。大小様々な企業経営者に向き合う日々では、必ずしも日の目を浴びることだけではないでしょう。
そのような中で全員が九州の可能性を信じ、企業支援を通じて魅力的な地域にしていく。そして九州から日本全国を盛り上げ、その先の世界を目指す。そう語る皆さんの目はとても輝いて見えました。
事業会社とは少し違った立場で、九州や福岡の企業と伴走し、一緒に盛り上げる。そんな力強い組織で、次のキャリアを輝かせてみませんか。