変革と創造で未来型ものづくり企業へ!
次の100年に向けた壮大な挑戦
当社は1926年に創業し、日本で初めて発電所向けの高温高圧バルブを国産化した企業です。極めて専門的な技術とノウハウを問われる領域であり、国内市場におけるシェアは非常に高く、海外においても当社は技術のOKANOとして業界内で広く認知されています。
高温高圧バルブは火力、原子力発電所には欠かせない機器であり、当社無くしては人びとや産業に不可欠な電力の安定供給は成立しないということが、我々の誇りでもあります。
近年では次の100年を見据え、老舗企業ではあるもののベンチャー企業のようなマインドで、事業変革、社内変革を進めています。
現在の主な事業内容は、発電所向け高温高圧バルブの製造とメンテナンスです。発電に使用する700℃を超えるような蒸気、放射能を帯びた蒸気を確実に制御するには、納入時の製品品質はもとより、メンテナンスの迅速性、確実性も重要となってきます。
当社製品は世界各国に納められ、海外においてはすべてメーカーメンテナンスというわけには参りませんが、国内においては全国津々浦々までのメーカーメンテナンス網を構築し、電力の安定供給を支えています。
また、近年はバルブに特化していた技術、ノウハウを他領域に転用、事業の幅を拡大しています。
祖業であり、社会インフラを支える事業としてバルブ製造とメンテナンスの事業は堅持しますが、昨今特に注力しているのが社会課題解決型の新規事業展開です。
現在は旧態依然として日々競争力を失いつつある国内製造業のDX推進、同じく非効率な状態が続く整備保全の未来化、DX推進事業に注力しています。
遅れているからこそやれることは多く、業界として外部から変えられるのではなく内部から変わることに価値と可能性を感じています。また、新たな試みはあらたな縁や機会をうむもので、地方創生に関する取り組みやその事業化も着々と進行しています。
創業者は私の曽祖父です。当時、英国のボイラーの輸入に携わっていたのですが、ボイラーが故障した時に英国本国から船便での部品を待つ数か月間ボイラーがストップ、産業がストップしてしまうことに課題を感じ、重要機器の中で最も壊れやすかったバルブの国産化を志しました。
北九州、門司に本社があるのは、当時北九州が日本の工業の中心地であり、門司が世界的な貿易港であったことに由来します。
やるからには欧米製品を超えるということで、バルブの中でも最も損傷する部分の強度飛躍的に高める技術の開発に成功、この技術は現在でも世界標準となっており、高温高圧バルブの国産化はもとより、業界内で当社の存在は世界中に知られるようになりました。
以降、国内発電プラントの高温高圧弁は原則的に国産化され、逆に海外においても特に難易度の高い部分のバルブで当社の製品が採用されるようになりました。当社の製品は業界内では超ハイブランドとして知られています。
バルブ界のルイヴィトン、レクサスとでも思っていただけると解りやすいかもしれません。20代の頃に海外の展示会で欧米バルブメーカーと名刺交換をした際、目の色がぐっと変わって「I knоw yоu.」と言われたときは、先人の積み上げてきたものの重さに身が引き締まった記憶があります。
表層的には、高温高圧バルブというインフラを支えるうえで不可欠な領域で、トップの技術力と1世紀に渡る実績をもち、底堅い経営基盤をもつことと言えます。しかしながら、さらに根幹的な部分を突き詰めると、私たちの強みは「不撓不屈の精神」「鶏口牛後の精神」にあると考えています。
私たちは1世紀にわたり発電所で生じるトラブルの中で揉まれてきました。トラブルを解決できなければ発電所は復旧せず、ひいては電力の供給が止まる、そのような退路がない環境下でも逃げずに肚を据えて課題に立ち向かい、突貫で解決をしてきました。
当社に脈々と流れるこのスピリットは当社の一番の強みであると考えています。当社社員とお客様の間において、単なるビジネスパートナーを超えた関係性があるのも、ここに起因していると感じています。
巨大な電力業界の中にあり、世界的に厳しい市場環境のバルブ業界においても当社は独立独歩を貫いてきました。ただ生き残れば良いのではない、利益を追求すれば良いのではない。
これは同時に弱みとも言えるかもしれませんが、生き方に美学をもっていることも当社の強みであると考えています。私自身も、4代に渡って引継いだこの会社を次代に繋ぐという想いと、わずか100年で積み上げたものを護るだけではいけないという想いも同時にあります。
今後は再生可能エネルギーもどんどん進歩していくでしょうし、このまま発電所向けのバルブ製造とメンテナンスを続けていても、100年後まで持つかはわかりません。バルブの領域だけではなく、ものづくり業界全体がじわじわと減退しているのを感じます。
そのため、私たちが目指しているのはDXとクリエイティブによる日本のものづくり産業の復権と地方創生です。
日本経済全体の低迷、日本のものづくり産業の低迷もふまえると、「バルブ業界の雄」だけで満足しているべきではないと考えています。日本のものづくりの品質や、製造業におけるマインドは今もなお世界トップレベルにあると思います。
それにも関わらず現在の低迷があるのは、DXや見せ方、仕組みづくりで後手に回っているからです。人に例えると「中身はいいのに不器用でアピールが苦手」な性質にあると思います。私たちは自らここに切り込み、解決していく存在でありたいです。
日本近代産業のスタート地点から、創業100周年を迎える我々から変わり、日本のものづくりの未来を創り出すことにロマンを感じます。ものづくり企業の多くは地方にあり、地域の中核産業であることが多い。
ものづくり産業の復権はすなわち地方創生にも繋がると考えています。
新規事業のひとつは、発電所や石油化学プラントといった大規模工業プラントから中小製造工場までの設備保全を、DXを中心とした先端テクノロジー導入により高度化、効率化する事業であり、将来的にはデジタルデータを活用した設備保全の完全AI化・FA化を目指しています。
もうひとつは、製造業における受発注をeコマースにより機会最大化、効率化する事業であり、将来的には様々な機能を拡張し、ものづくり企業の競争力を最大化する真のものづくりのためのプラットフォームとすることを目指しています。
底力やボリュームはあるものの、DXが遅れている保守的なこれらの業界を変革するには、一番は志、理想、情熱だと思います。それにベンチャー企業で求められるような能力とマインドと、業界内での確固たる実績と信用が必要です。
「ベンチャー企業で求められるような能力とマインド」、このような人材の育成や獲得、パートナーとのアライアンス、近年当社ではこれを推し進めています。
しかしながら、目の前に拡がる市場に対しこれらが追いついていないことが最大の課題です。事業構想、事業構築、マーケティング、広報など分野は多岐に渡りますが、これらに精通した人材を求めています。
ぜひそういった人材に来てもらい、ものづくり産業と地域を一緒に変革していけたらと思っています。
今はコロナ禍の影響もあり、東京で仕事をする必要性が減っているのではないでしょうか。物価が高くて人が多い場所より、地方や生まれ故郷を盛り上げながら働くスタイルもいいと思います。
東京や世界で経験を積んだ第一線の人間に戻ってきてもらうことが、地方創生には必要です。
先ほども言いましたが、ものづくり企業の多くは地方にあり、地域の中核産業であることが多いと考えています。地方からものづくり産業を変革することで日本の未来が変わります。
東京や世界で経験を積んだ第一線の人間に戻ってきてもらうことが、地方創生には必要です。ぜひ第一線の人材に帰ってきてもらい、地域から新しい未来をつくるイノベーションを起こしてほしいと思っています。
入社以前にしていたこと
私は2007年に入社し、バルブ製造部門に配属されました。約3年間工場で機械加工に従事した後、生産技術部門へ異動し、当社独自の管理会計基準構築、新製品開発および市場投入、生産性向上へ向けた工場集約化など、様々な領域でのプロジェクトに参加する機会をいただけました。
こうした経験から純然たるものづくりの知識に加え、製品開発や販売、原価管理といった事業全体に関する経験を若い段階で積むことが出来ました。
製造部門以外の経験を積むため、2013年に調達部門へ異動し、調達費低減、安定供給へ向けた新規取引先開拓や、業務効率化の推進等に従事するとともに、主任・係長とステップアップしながら組織マネジメントにも少しずつ携わるようになりました。
その後、2016年に経営本部へ異動になり、マネージャーとして全社経営計画の立案・実行や新規事業の立ち上げ等に従事し、2020年の事業部制移行に合わせて、経営本部長とバルブ事業部長を任され現在に至ります。
入社した理由
地元が北九州ということもあり、北九州を代表するような企業でものづくりに携わりながら、いろいろな仕事にチャレンジできる環境を求めていました。
岡野バルブは製造だけでなく、開発・設計から製造・販売、アフターメンテナンスまで一貫してやっていることを知り、ここであればいろいろな経験を積むことが出来るのではないかと思い入社を決めました。
入社後はありがたいことに、いろいろな業務に携わる機会を与えていただいたことで、知識だけでなくチャレンジ精神も醸成されたと感じています。
これは当社の社風の一つだと思うのですが、年齢や経歴問わず、やる気さえあればチャレンジできる環境があることは非常に恵まれた環境だと感じています。
また、近年は新事業をはじめとした新たなチャレンジにも力を入れていますので、新しいことや変革を起こすことが好きな人にとっては、非常にやりがいを感じる会社ではないかと思います。
今、取り組んでいること
2020年の経営体制刷新、事業部制移行に伴い、経営本部長とバルブ事業部長に就任しました。
事業変革、社内変革を推し進めるために経営理念も刷新され、新たなビジョン(Manufacturing Transformation)・ミッション(Value Transformation)を掲げ、未来型ものづくり企業を体現していくために、DXを主軸とした新規事業展開を推し進めるとともに、既存事業であるバルブ製造事業とメンテナンス事業の再構築にも力を入れています。
経営本部では、ビジョン・ミッションの実現へ向けた経営計画の立案実行、マーケティングや新規事業開発などの経営企画業務に加え、各事業部門と連係しながら事業再構築のサポートを行うなど、幅広い業務を担っています。
バルブ製造事業では、発電プラント向けの高温高圧バルブの製造販売を行っていますが、これらメーカー機能に商社機能を付加したビジネスモデルの構築を目指し、厳選した海外バルブメーカーとのパートナーシップにより、発電プラント全体でトータルパッケージとして提供していく新たなビジネス展開を図っています。
また、バルブのみに固執せず、約1世紀にわたり蓄積してきたものづくりノウハウをいかした製造受託サービスの展開など、既存事業においても従来の事業領域にとらわれずに新たな挑戦を行っています。
このように事業領域も拡大していますし、既存事業でも事業を転換しており、今がまさに会社の変革期です。自らの力で事業開発してみたい、変革を起こしたいと思っている人は大きなやりがいを感じられると思います。
入社以前にしていたこと
私は2004年に九州ポリテクカレッジ(九州職業能力開発大学校)を卒業後、岡野バルブへ入社しました。
入社後、製造部門で工作機のオペレーターとして配属され、そこでは新型機の導入に合わせて入社間もないにも関わらず、新型機種の立上げ担当として抜擢され、3年間かけて職場の皆様に支えられつつも当時で初の夜間無人運転が当たり前に出来る設備への立上げに成功しました。
その後、私のカイゼンや閃きに対する能力を評価され、生産技術部門として工場を管理・運用する立場へと環境が変化致しました。
そこでは工場へ対する多くの変化、刺激を与え、2017年に新設した新工場プロジェクトをプロデュースするといった重大な職務と合わせて大きな成長の機会を与えて頂きました。今では35歳にして新規事業の事業部長を任されております。
意欲的に業務に取り組んで来たことで、若い頃からチャレンジできる機会を多く与えてもらえた事が今では大きな経験となっております。
入社した理由
元々ものづくりの世界にどっぷり漬かりたいと考えており、はじめは大きな根拠もなく、興味本位で会社説明会へ参加しました。
その際の工場見学では実際に現場で働く方の様子や工場の工程を間近で見させて頂いたのですが、そこで作業されている方々の仕事に取り組む姿勢と熱意に心を打たれました。職人気質丸出しの方々が多く職場はとても活気に溢れていたことを今でも覚えています。
また、製造メーカーでは珍しく、素材から製品の製造までを自社で一貫生産を行っているということもあり、製造工程とその設備に感銘を受け、ここで働くことでものづくりに関する多くの知識が身につくと考え入社を希望しました。
入社後は原子力基準に対応したものづくり基盤があることもあり、幅広くそして深い技術と品質へ対する厳しい環境の中、先進一歩を創立理念とし、チャレンジする精神を学ぶことができました。
今、取り組んでいること
今年よりIoM事業部の事業部長に就任しました。現在まさに新規事業としてどう展開していくかを計画しているところですが、低迷していると言われている日本のものづくり産業ですが、私たちはそういった状況下でも日本のものづくり産業が成長し続けることができると信じています。
日本のものづくり産業が再び世界規模で脚光を浴びることを目指し、今の製造業の課題とされている、変革力不足や人材不足、技術継承問題と言ったことの解決に繋がるコミュニティを提供し、これまでのものづくりの業務サイクルを変えてしまう様なプラットフォームを展開すると言った、インパクトのあるコンテンツサービスを計画しようと考えています。
コンテンツサービスの対象はものづくり産業ですが、これまでにない新しいサービスを開発するため、業界や常識に捉われずに新しいコンテンツを生み出していきたいと思っています。
私たちが生み出すコンテンツサービスでものづくり産業をアップデートする。そこに使命感や喜びを感じられる人と一緒に事業をつくっていきたいです。
入社以前にしていたこと
2004年に新卒で入社して東京営業所に配属されました。東京営業所では新設プラントに必要となる多台数バルブの一括販売案件や原子力・火力発電所に納入しているバルブのメンテナンス営業などに幅広く従事し、関東だけでなく東北や北海道を飛び回り、様々なお客様の声をカタチにしていました。
2011年に本社の営業統括組織へ異動となり、全国の営業組織管理やマーケティングなどの業務に従事しました。この頃は部門横断型のプロジェクトが社内で活発に動き始めていた時期でもあったので、私もそれまでのセールスやマーケティングの経験を買われていくつかのプロジェクトにアサインされました。
徐々に所属する営業部門の活動よりもプロジェクト活動の比重が大きくなり始めた頃、新たに組織された経営本部へと異動になり、2020年にそこから派生して組織されたVQ事業部という新事業の事業部長を任されて現在に至ります。
入社した理由
「産業用機器メーカーの営業職」という仕事は難しそう、大変そうというイメージがありましたが、むしろ若いうちはそういった業界で鍛えられたいという思いを持っていた為、地元の北九州で歴史あるメーカーであった当社への入社を決めました。
入社後は私の期待どおり先輩や上司の方々にかなり鍛えてもらいました。その時代は規律を重んじる縦社会といった社風が色濃かったように思います。
自社製品・サービスの知識も乏しく営業経験も無かった私に、仕事のいろはを叩き込んでもらったあの経験があるからこそ今があると感じています。最近では若い社員も増えて、役職や世代を超えたコミュニケーションが活発になってきています。
新事業をはじめとした新たなチャレンジに取り組んでいる当社には、これまで以上に必要な職場の雰囲気であると思います。
今、取り組んでいること
発電所や工場といった工業プラントの「設備保全」を、先端テクノロジーを駆使して高度化、効率化させるというミッションのもと、昨年立ち上げられたVQ事業の事業部長として、各種事業展開を進めています。
工業プラントの生産現場では、膨大な設備機器の保全活動に多くのリソースを投入している一方で、長らくその技術や手法に大きな進化がみられないことも多く、我々は先端テクノロジーによる抜本的な改革を目指しています。
次代の設備保全を実現させるための自社プロダクト開発はもちろん、固有の先端技術をもつパートナー企業との連携によって、設備保全のトータルイノベーションを提供しています。
設備機器の管理を全てデジタル化し、構築したデータとAI技術の活用によってあらゆる設備保全業務をスマート化する、さらには工業プラントの生産性を最大化させるための最適な保全計画を遂行している、そういった未来を実現させるため、私たちは従来の「当たり前」を変えていきます。
設備保全というニッチな分野ですが、プラントという社会インフラを支え、多くの人々の生活を支えています。ITやデジタル、AI技術などの知識や技術、最先端のテクノロジーを活用してイノベーションを起こしてみたい人と一緒に業界の変革に取り組んでいきたいと思っています。
福岡県北九州市門司区中町1-14
128,625万円
6,362百万円(2020年11月期 連結)
岡野 武治
1936年2月
378名
製造/DX
http://www.okano-valve.co.jp/teaser.html
YOUTURNからのコメント
モノづくりの先を見据えた事業展開で、新しい未来を描く
高尾大輔
YOUTURN 取締役 キャリアコンサルタント
創業から約100年続く、日本でも稀有な北九州の代表とも呼べる会社。そして伝統ある製造業界においては若く優秀なリーダーを事業の責任者として、次の100年へ大きな変革にチャレンジしています。
代表の岡野さんは会社の良き伝統を守り尊重しつつ、フラットな視点でどうしたら岡野バルブや製造業が明るい未来を描いていけるかを常に考えているように感じました。
経営マネジメントの観点でも信頼して任せるところは任せる、しかし一方で責任者とのコミュニケーションは絶えず取り続け、どんな課題があるのかはきちんと把握する。
ベンチャー企業やスタートアップのように同世代だけで従業員を構成していないからこそ、リーダーは現場の声を大事にし、立場を「役割」として、お互いにリスペクトを持ちながら接しているお話も大変興味が湧きました。
業界内におけるDX化・デジタル化が叫ばれる昨今において、これまで築いた知見やノウハウを生かし業界全体のイノベーションに挑戦する岡野バルブから目が離せません。