サポートするのはキャリアだけじゃないーープロの第三者が生み出せる価値の話|キャリアコンサルタント西尾理子

移住転職コラム・ノウハウ
05/22/2019 更新

「キャリアコンサルタント」の言葉の響きから、みなさんはどんな仕事を連想しますか?

悩み相談に乗ってくれる人、困りごとを解決してくれる人、さまざまあることでしょう。

今この記事を書いている私が抱くキャリアコンサルタントのイメージは「将来に悩んだときに話を聞いてくれる人」でした。

ところが、今回ベンチャーへの転職が今ほど一般的でなかった頃からベンチャー界隈でのキャリア形成支援をしてきた西尾 理子(にしお みちこ)さんに、YOUTURNに参画している理由、キャリアコンサルタントという職業にかける想いをインタビューをしてみると、その考えは覆ってしまいました。

さて、彼女の理想とする「キャリアコンサルタント」像とは、どのようなものなのでしょう。インタビューを通して見えてきたのは、想像を遥かに超える壮大で寛容な想いでしたーー。

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西尾理子、という人物

ーー今日はよろしくお願いします。今回は西尾さんご自身の想いや考え方をお伺いできたらと思っています。西尾さんは、YOUTURNのキャリアコンサルタントでありながら、法人化した会社の代表もされているんですよね。

▲西尾 理子
津田塾大学卒業後、日本HPに入社。2004年から当時のリクルートエイブリック(現 リクルートキャリア、2010年からプロコミットにて人材紹介コンサルタントとして活躍。通算13年で数々の賞を受賞し2017年に独立。現在、株式会社みこまるの代表を務めながらYOUTURNにキャリアコンサルタントとして参画。国家資格キャリアコンサルタント保有。

西尾:こちらこそよろしくお願いします。そうですね。2年前に独立して、自分ひとりの会社ではありますが法人化しています。

「YOUTURNの社員なの?」と聞かれることもあるのですが、社員ではなくYOUTURNとは、いわゆる業務委託契約を締結して関わらせていただいています。

そうは言ってもYOUTURNの人材事業に業務委託以外の形で関わっているメンバーのほうが少ないですよね。


ーーそうですね。 みなが“複業”でYOUTURNに関わっている感じですよね。西尾さんは独立する前からもキャリアコンサルタントとして働かれていたんですよね?

西尾:人材会社で13年ほどキャリアコンサルタントとして働いていました。

そのうち後半で6年強所属していた会社が、だいぶ早い頃からスタートアップの人材支援に取り組んでいたんですよ。経営者と優秀人材とをマッチングして、小さな企業がグロースするためのサポートをしていましたね。


ーースタートアップの人材支援は2010年からですよね。近年は市場ができあがっている印象がありますが、当時はビジネスとして大成するまでに苦労があったのではないかと想像しました。

西尾:そうですね。少なくとも経済合理性が高いとは言えなかったですね。

スタートアップ・ベンチャー企業と人材とのマッチングは、カルチャーフィットなどの見極めも他業界より重要でとても難易度が高いですからね。


ーースタートアップはカルチャーフィットしなければ、転職しても長くは続かない。スタートアップの人材支援は、転職者と向き合うコンサルティングになるイメージがあります。

西尾:そうですね。転職者だけでなく、経営者にも提案していく必要がありました。

もともとベンチャー企業だと変化スピードが速いので採用計画がないことも多いです。

つまり、お引き合わせの時点で明確なポジションがあるケースばかりではない。

なので、企業側の経営や事業課題を理解した上で、人ありきで「こういう方が今参画したら将来事業が伸びるかもしれない」といった提案を経営者たちにしていくことも多かったですね。

仮説を立てながら、転職に関わる意思決定者と話し合いを重ねて価値を創出する。スペックマッチングを目的にするのではなく、なんならポジション作りから行うコンサルティングを身につけられたように思いますね。

YOUTURNは「難しいからこそ、やる意義がある」

ーー西尾さんのお話を聞いていると、すごく本質的に物事を見つめる方なのだなと思えてきます。YOUTURNのビジネスも、難しい領域に挑戦していると感じるのですが、西尾さんは果敢に挑んでいる、といいますか……。

西尾:YOUTURNに関わり始めたきっかけは、前職、前々職と一緒だった高尾(※2)に中村を紹介されて「手伝いたい」と思ったという、いわゆる人軸だったのですが、次第に「これは意義のある事業だ」と思うようになったんです。

※2……YOUTURN キャリアコンサルタント 高尾大輔

▲YOUTURNキャリアコンサルタント、高尾大輔とともに

ーーそれは、具体的にはどのようなところで?

西尾:今、東京ってスタートアップがどんどんと増えていて、市場が大きくなりましたよね。でも、少し昔に戻ってみると市場はまだまだ小さく優秀人材と経営層のマッチングはすごく難しいビジネスでした。

ただ「難しいからこそやる意義があるし、競合がいないからこそチャレンジするべきだ」とも思っていたんです。

今、首都圏でベンチャー企業が採用したい人材と出会うことは以前より簡単になりましたし、そこを支援するプレーヤーもたくさん出てきました。

となると、次に人材の領域で「難しくてまだやっている人が少ない課題」って何かなと考えたんです。「地方と人材のマッチング」がまさにそれだなと。

かと言って企業や産業がある程度存在していないと、例えば首都圏でベンチャーに転職する人のように「経営課題を解決したい」「事業を伸ばしたい」といった人が挑戦しにくいと思うんです。その観点では福岡はものすごく興味が持てました。

成長したい企業と活躍したいビジネスパーソンがいるのに、まだマッチングができていない現実が福岡にはありますから。


ーーそういったタイミングのときは、企業側も課題感を言語化できないから「こんな人材が欲しい」とはなかなか言えないように感じます。

西尾:そうなんですよ。そんなとき、私たちのような「プロの第三者」の存在が活きると思うんです。

「プロの第三者」だからこそ生み出せる価値

ーー「プロの第三者」ですか?

西尾:そう、キャリアコンサルタントに関わらず、なにかの間を取り持つ存在の必要性って、すごくあると思うんですよね。

今はキャリアの面からですが、いずれあらゆる「第三者」を必要としている方のためにできることを考えていきたいなあとも思っていて。

ーー例えば、挑戦されたいことはありますか?

西尾:子どもに対して何かしたいな、とは思っています。

特に、本人の責がないところで可能性が制限されてしまっているような子どもの選択肢を広げるようなことをしたいですね。

例えば、まずは親と出会う必要がある場合は養子縁組などもそのひとつ。

それ以外でも、子ども時代は「親や教師以外の大人と接する機会」が少ないと思うのですが、親子間や学校と家庭の間に冷静に状況を判断できたり気持ちに寄り添えたりする第三者がいたら、現状が変わるのだろうなと感じるエピソードも耳にするんです。


ーーキャリアコンサルタント、と幅を狭めるのではなく、広く「プロの第三者」とご自身を定義づけることで生み出せる価値があるのかもしれないですね。

西尾:そう思っています。


ーーところで、そもそもの話に戻ってもいいでしょうか。  お話を伺っていく中で、西尾さんはすごく俯瞰して物事を見つめる方なのだなあと印象を受けたました。昔から、そんな風に多面的、俯瞰的に判断することが多かったのですか?

西尾:そうですね……。

振り返ってみると、中学生くらいのときから、哲学的なことをよく考える子どもではあったと思います。たまたまですが、あらゆる価値観を持つ方と出会う機会があったので、自然と自分なりの生き様や考え方を持つようになっていたんですよね。


ーーターニングポイント、ですね。

西尾:そうなのかもしれません。

身近にいた大人で一番影響を受けたのは「近所に住む一人暮らしのおばあさん」と「通っていた高校に週に一度だけ非常勤講師として来ていたシングルマザーの女性」でしたね。

おばあさんからは、なんというか「学歴や身分では計れない人としての美しさ」を教えられたし、非常勤の先生は「それまでの私の常識にはなかった生き方」を見せてくれました。

その非常勤の先生と出会うまでは、ひとりで働きながら子どもを育てるというのは、とても大変なことだろうと思っていたんです。でも、彼女は自分のやりたいこともやって、とても人生を楽しんでいるようでした。

結果的にその後の人生にかなり影響を受けたと思っています。

それから、高校までは地方の公立校だったのでクラスメートも家庭の事情は様々でした。

当時はそういう言葉は知らなかったのですが、幼少期からの親友はLGBT。そういう友達の影響もあってか「ステレオタイプな生き方が必ずしも幸せなのではない」という価値観になっていきましたね。


ーーなるほど。少し話の軸はずれるのですが、西尾さんが誰かのキャリアをサポートする上で意識しているのって、どんなことなんでしょう。

西尾:まず第三者なので「客観的に、ご本人が自覚している以上にその方のことを理解するように努める」こと。

そしてキャリアのプロとして「採用市場や経済動向や業界動向、各企業の情報、採用側のロジックなどをふまえた情報提供をする」こと。

そしてそれによって「ご本人が納得感のある意思決定ができること」ですね。

最終的に意思決定をするのはご本人。ですので、私は意思決定に必要な材料や機会をご用意できるように全力を尽くしています。

本来キャリアコンサルタントの仕事は「ご本人の希望条件に沿って求人票を検索して自分が紹介した企業に入社してもらうようナビゲートする」なんていうことではないと私は思っています。

それに「話を聞いてくれる良い人」というだけではプロになれない。

頭が良いだけでもできないし、人の良さだけでも務まらない、

その両方を高いレベルでフル回転させて人の人生と対峙するのがこの仕事の難しさでありやりがいだと思っています。


ーーなるほど……。そうして働く上で、キャリアコンサルタントの仕事を通して西尾さんが感じる幸せって、どんなことですか?

西尾:嬉しいなと思うのは、転職や採用をお手伝いしてから数年後に、たとえば「上場できたのはあの時採用した●●さんが事業を伸ばしてくれたから」と企業側から言われたり、個人の方から「昨日のニュース見ました? あれ自分です!」と活躍している様子を耳にしたりしたときですね。

転職・採用は「点」ですが、その後の「線」を経て「きっかけをありがとう」と言われた時はとても嬉しいですね。

当事者だけでは出会えなかったご縁、私……でなくても良いのですが第三者、がいたからこそうまくいった。そういう介在価値を出し続けていきたいですね。


ーー今回、お話をさせていただいて、西尾さんの強くしなやかなお人柄を垣間見れたような気がしました。ありがとうございました!

西尾:こちらこそ、ありがとうございました!

(聞き手・執筆:鈴木 しの 編集:榮田 佳織 撮影:八島 朱里)

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