100年続く福岡・九州の物流インフラ。
大手ITベンチャー出身の7代目社長が業界のDXに挑戦
私たちは、大正6年創業の総合物流会社です。「安全第一・至誠一貫・敬客愛品」を社是とし、お客様の最良の物流パートナーになるべく努めてきました。
もしも、世の中の物流が3日止まってしまったら、医療部品などの供給に影響が出て命に関わる方も出てきます。自分たちが生活に欠かせないインフラを担っているという、使命感を持ちながら業務に当たっています。
主な事業は、トラック輸送・通運業・倉庫業の3つです。同じ物流でも、中・短距離はトラック輸送、長距離は鉄道を使った通運と使い分け、九州を中心に全国へ物流ネットワークを形成しており、また九州・中国・東海・関東エリアに倉庫を保有し、物流の一貫システムを提供しています。
今後は事業の枠も広げていくつもりです。例えば今、ECサイトがどんどん増えていますよね。通常は商品を自社で仕入れ、梱包して、宅配業者に持っていく必要があります。
その商品をうちの倉庫で保管して、仕入れから発送まで一括代行しようとしています。そういった、新しい物流スタイルにもチャレンジしていこうと思っています。
大正6年、福岡県久留米市に筑軌運輸株式会社として設立されました。私は7代目になります。もともと曾祖父が筑軌運輸で働いていまして、祖父が5代目社長に就任。その後、叔父が6代目を継いだんです。
私は2011年に大学を卒業後、楽天グループ(大手IT企業)の営業として、東京で働いてました。ある時、突然先代の社長から「継ぐ気はないか」と言われて。急な話で戸惑ったものの、ずっと同じ会社で働き続けるイメージもなかったので、受ける決意をしました。
楽天(前職)を3年で退職し、西久大に入社して、経営企画を中心にバックオフィス的な業務を担当した後、代表に就任しました。
歴史ある企業ながら、意思決定が早いことが強みだと思います。入社した当初から、スピード感のある会社だなと感じていました。
また、人とのつながりも大きな財産ですね。50年以上のお付き合いのお客様もいますし、多方面でしっかり関係性が築けています。長年積み上げてきたネットワークと経験を組み合わせれば、どんなものでも運べると自負しています。
当社は現在、九州から関東に支店を持ち、関西方面を中心に新たな出店も決まっています。今後、福岡から関東までのネットワークをさらに強化していきたいです。
物流業界も変革期ですので、波に乗れるか乗れないかで大きく変わっていくはずです。社内では働きやすい環境の整備を進めており、現場の声を聞きながら仕組みを作り直しているところです。変化に耐えうる体制作りを、技術革新も取り入れながら実践していきます。
物流DXに取り組みたいと思いつつ、本格的な機器の導入には資金もかかることから、まだ踏み切れていません。今後、自動運転が普及していく世の中で、物流業者がいつまで必要とされるかなど、最新の情報を取り込んで対応する力が弱いと思っています。
私も外から入った人間ではありますが、長く働くほど、組織の古い部分をどこまで残すべきか曖昧になってくる部分もあります。外から新たな風を吹き込んで、アイデアを実行してくれる人材が必要だと感じてます。
私も以前は「働くなら東京」と思っていたので、福岡に戻ってくることにためらいがありました。しかし今、天神ビッグバンや博多コネクティッドなど再開発が進んでおり、街はどんどん変化しています。その過程を見ながら年をとっていくのも、いいんじゃないかなと思います。
福岡が盛り上がれば、そこにある企業も恩恵を受けられるはずです。住みやすさだけでなく、会社の環境としても、さらに進化していくだろうと思います。
入社以前にしていたこと
大学卒業後、証券会社に入りました。札幌に配属されて3年半働いた後、退社して1年ほどフランスに行き、アフリカで洋菓子店を出そうと思っていたんです。しかし、中東で内紛が起きてうまくいかなくなり、帰国することにしました。
東京で営業コンサルの会社を経て、学習塾と経営コンサルをおこなう会社を創業。その後、福岡出身の妻と結婚しました。
子育てするなら福岡がいいと考え、福岡に支店を持つ予定のあったIT人材紹介の会社に入りました。ところがコロナ禍で支店の話が白紙化してしまい、別の人材紹介・派遣会社へ。そこで福岡の支店長になり、やっと移住が実現したんです。
しかし3か月後、会社の事情で「東京に戻ってくれないか」と言われ、やむなく退職。自分で教育福祉業の会社を立ち上げようと動いていたタイミングで、西久大に声をかけてもらいました。
入社した理由
西久大は歴史の長い企業ですが、IT企業出身の30代の社長を筆頭に、色々と改革を進めているところでした。盤石な経営でありつつも、第2創業期のような空気があり、企業としてバランスがいいなと思いました。
自分でも会社を立ち上げたばかりでしたが、福岡でしっかりと地盤固めをした上で進めていきたいと思っていたのと、家族もいることから、ご縁があった西久大に入社しました。
今、取り組んでいること
今は経営企画部に所属しています。予実管理の実務をメインにおこないつつ、業務改善も担っています。業界全体もそうですが、社内を見てもまだレガシーの部分が残っているので、現場の声を聞きながら経営全体の改善方法を練っています。
例えば、従業員満足度の向上のために新たに表彰制度を作ったり、福利厚生を充実させたり、といった足場固めを、今後2〜3年でしっかりやっていきたいです。
入社以前にしていたこと
福岡出身で、高校卒業後に別の会社で倉庫作業の仕事をやっていました。建物の柱や鉄筋などの在庫を管理して、トラックに積み込む仕事です。
その後、仕事を辞めてどうしようかと思っていたところ、西久大に勤めている父が「うちの会社に来ないか」と声をかけてくれました。
入社した理由
前職を辞めた後、数か月ぐらいフラフラとしていたんです。「そろそろ働かなければ」と思っていた時に父から「うちの会社に来て、仕事しながらやりたいことを探したら」と言ってもらって、入社しました。父が責任者をしている倉庫に入ったので、最初はやりにくかったですね(笑)。
その後、新しい支店ができるから、事務職として来てくれないかと相談されまして。倉庫作業を5年ぐらいやって、違う仕事もしてみたいと思っていたタイミングだったので、1年前に異動しました。
今、取り組んでいること
今、メインでやっているのは運送するためのトラック配車係です。自社の乗務員さんだけでなく、協力会社や他支店から手伝いに来てくれる乗務員さんの運行内容を決めたり、連絡を入れたりする仕事です。
まわりが倍近く年上の方ばかりなので、最初はどうなるかと思いましたが、かわいがって頂いています。西久大は働きやすくて、自分に合ってると感じるので、このまま今の仕事をがんばっていきたいです。
福岡県福岡市東区多の津2丁目9番5号
8,000万円
非公開
代表取締役社長 伊東 健太郎
1917年8月
650名
ロジスティクス/物流
https://www.nishikyudai.co.jp/
YOUTURNからのコメント
福岡から物流業界にDXを!良き伝統を継承し、次の100年へ
高尾大輔
YOUTURN 代表取締役 キャリアコンサルタント
本社拠点を福岡・多の津に置き、創業100年を超える九州きっての総合物流会社。
大手ベンチャーの楽天グループでIT事業の最前線で活躍された代表取締役の伊藤健太郎さんを中心に、「物流の2024年問題」を目前に積極的な業務効率化や事業の多角化を推進しています。
他業界でのキャリアが、よりフラットな視点で物流業界をとらえ、これまでの西久大の伝統や文化、従業員の方々への感謝を忘れることなく、大胆に改革を推し進めていく。
私たちの前では理路整然と、そして冷静沈着に課題とこれからのビジョンを語る伊藤さんの言葉には、確かな想いと情熱が宿っていたように感じます。
現在は、物流業界の経験を問わず様々な分野で活躍されてきたビジネスパーソンを積極的に採用することで、多様性を生かし新しいチャレンジを進めています。
インターネットの普及に伴い、Eコマースを中心に国内産業の生命線であるロジスティクス。しかし、どれだけIT化やDXが推し進められたとしても、その本質は「生命に関わるライフラインを維持する」という稔侍。
九州・福岡から関東、関西へと着実に拠点を増やし、大手の物流会社にできないチャレンジをし続ける西久大から目が離せません。