24時間365日、いつでも薬を届ける!
テクノロジーで在宅医療の社会インフラを
私たちの理念は「24時間365日、自宅で『安心』して療養できる社会インフラを創る」ことです。現在、福岡と関東で31店舗の調剤薬局を運営しています。
通常の薬局業務に加えて、在宅医療の患者さんや在宅介護の利用者さんに対し、オンラインによる服薬指導を行っていることが大きな特徴です。保険医療制度に基づいた遠隔服薬指導は「全国初」なんですよ。
業種は違いますが、宅急便を最初に始めたクロネコヤマトのように、世の中に欠かせないサービスを作ることが会社の存在意義だと考えています。
高齢化や核家族化が進んでいる中、いつでも薬が届いて、どこに住んでいても適切な説明のもとに医療が受けられる世の中にしたい。その思いで、ご自宅や介護施設などに24時間365日体制で薬を届けています。
また、厚生労働省が推奨する「地域包括ケアシステム」(高齢者に対する地域の包括的な支援・サービス提供体制)の構築に向けて、他の調剤薬局との連携や、介護施設にケアプランサービスを提供する事業も展開しています。
調剤薬局のほか、ボランタリー事業、ケアプランサービス事業、退院支援事業を行っています。
ボランタリー事業では、私たちが創業以来12年かけて培ってきた在宅業務のノウハウを、約180店舗ある加盟先の薬局に共有・連携しています。
また薬剤師は服薬指導した後、医師やケアマネージャーに報告書を提出することが国により義務づけられているんです。すべて紙で対応していて、事務的な負担がかかっていました。
そこで業務を効率化するITツール「ファムケア」を作り、自社薬局だけでなく他の薬局とも共有しています。
また、福岡と関東に「ケアプランサービスひゅうが」を開設しました。介護施設向けに「薬のことを理解したケアプラン」を作成しているほか、介護保険に特化した研修や勉強会も開催しています。
退職支援事業では、医療介護従事者のための施設検索サイト「タイサポ」の運営を行っています。高齢者の方が、退院後スムーズに介護施設とつながることで、安心した生活環境を維持して頂くことが目的です。
起業のきっかけは、20代の頃に急性すい炎で入院したことです。当時薬剤師だった私は、入院中に様々な病気の方と話をして、「自分の人生もいつか終わる」という当たり前のことを初めて実感しました。
そして「何をするために生まれてきたのか」と考える中、元ヤマト運輸社長・小倉昌男さんの著書「経営学」を思い出しました。小倉さんが宅急便を始めたように、自分も薬の世界で社会のインフラになるサービスを作りたいと思ったんです。
その後、製薬会社のMRを経て2008年に29歳で起業しました。まず初めに、大宰府の倒産した薬局を買いました。創業メンバーは私を含めて3人。資金も実績もなく、薬局なのに薬を卸してもらうことができませんでした。
仕方なく宮崎の実家を担保に入れて銀行からお金を借りたんです。もちろん親は心配しますし、失敗は許されない状況でした。
病院は大きい薬局が抑えていたので、介護施設や老人ホームに飛び込みで営業して回りました。徐々に仕事が取れてきて、1年目ですごく増えたんです。そしたら、3人の社員のうちの1人が過労で倒れてしまって。その時が一番、精神的にきつかったですね。
2年目からは人も増え、今では370人の社員がいます。あの頃に比べて、だいぶ会社らしくなりました。
医療・介護保険の仕組みを熟知し、現場と密接に関わりながら在宅業務のノウハウを積み上げていけることです。在宅医療や介護の分野は、今後もますます必要とされる息の長い事業だと思いますね。
大手の薬局は昔から、病院の前に土地を買って院外処方で利益を出してきました。ずっとそれでやってきているので、在宅で1人1人を対象にするという発想にはならない。だから同業他社の競合がほとんどいないんですよ。
あとはやっぱり、企業理念からぶれないことです。24時間365日、在宅医療に向けた社会インフラをつくる。何があっても「これをやる」って決めたんだからと、理念が自分を救ってくれたことが何度もありました。
もともと破産した薬局を買ったところからスタートしたので、会社をつぶすとどうなるかリアルにイメージできるんです。だからこそ、私の役目は業績をきっちり伸ばして、社員に福利厚生をきちんとつけることだと思っています。
創業当時の何もなくて借金だけがあった時代を経験しているから、今も多少のことには動じずに立ち向かっていけますね。あの頃は先が見えず必死でしたが、振り返るといい経験だったと思います。
厚生労働省の調査によると、2025年には全国の在宅医療患者が100万人に到達する見込みです。そのうちの15%をカバーしたいと思っています。
今後10年以内に自社店舗を100店舗に増やし、ボランタリー事業の加盟先が5900店になれば実現できる。まずはそこを目指します。
ボランタリー事業で他社にノウハウを共有することに、迷いがなかったわけではありません。社内でも「競合を生むことになる」と心配する声はありました。
でも、そもそも何のために『Hyuga Pharmacy』が存在するのか考えた時、私たちには「訪問調剤・訪問医療の社会インフラを作る」という理念があるんです。
競合と切磋琢磨して市場が伸びていけば、一般の方にもサービスを認知してもらいやすくなる。それはいいことだよねと。今後も多様な企業と連携して「地域包括ケアシステム」を進めていきたいと思っています。
この業界には、いわゆる「経営者」が少ないのではないかと思います。新しいサービスを生み出したり、自分の作った事業で利益を出したりできる人が不足している。
「やりたいことをやる決心」って必要だと思うんですよ。いつまでに何をやるとか、自分の中で決めてしまえば腹がくくれる。だけどやっぱり怖いから、後ろに逃げ道のドアが開いていると人は迷ってしまう。
私も最初は無知でしたし、能力が高かったわけでもありません。それでもやってこれたのは、自分で「決める」ことをしてきたからだと思っています。
業界の経験値は問いません。自分で決めて、周囲を巻き込み、実行し続けることができる方と一緒に、本気で福岡から日本の社会を支えるインフラをつくりたいと思っています。
1回限りの人生ですから、「私はこういうサービスを作った」と子ども世代に言える仕事がしたいんですよ。東京でも福岡でも場所はどこでもいいから、やりたいことがあるならやった方がいいと思います。
私たちの事業は、国が推進する地域包括ケアを構築していくという、社会的意義の高い仕事です。関わった方の生活が良くなっていく様子が見られるのでやりがいがありますし、私たちも心の栄養をもらっています。
「ファムケア」を中心としてITの部署に関してはこれから作っていく段階なので、今から入った人も組織作りに参加できると思います。すでに完成しているチームに入るのとは違った面白さがありますよ。
今後もどんどんサービスを作るつもりなので、そこに仲間として加わってもらいたいですね。システムエンジニアはもちろん、プロダクトマネージャーやセールスも含めてチャレンジをお待ちしています。
Interview
入社以前にしていたこと
私は大学卒業後、医薬品の卸会社で4年ほど営業を経験しました。『Hyuga Pharmacy』との出会いは、転職活動ではなく、ヘッドハントのような形です。
人材会社を介していきなり電話がかかってきました。最初は「怪しいな」と思って断ったんですよ(笑)。
しばらくして、もう一度連絡が来たんです。当時は結婚したばかりで、将来のキャリアを考えていた時期でした。話も聞かずに終わらせるのはもったいないなと、面談に行くことにしました。
そこで社長の話を聞いて入社を決め、2014年から働いています。
入社した理由
以前から『Hyuga Pharmacy』が、在宅医療に取り組んでいる調剤薬局だということは知っていました。その頃、福岡で在宅業務を行っているチェーン薬局はあまりなかったので、カッコいいなと思っていて。
面談のときに社長が「ヤマトの宅急便みたいになる」と言っていて、最初は意味が分からなかったんですけど(笑)、詳しく聞くうちに「なるほど」と。
単にビジネスとしてのお金儲けだけではなく、「日本全国に薬が24時間届くインフラを自分達で作っていくんだ」という理念に衝撃を受けました。そういうことを言う人が、今まで周りにいなかった。
あとは、率直に面白そうだなと思いました。もともと転職活動をしていたわけじゃなかったですし、仕事内容に興味を持たなければ入らなかったと思います。
社員の立場から見て、トップがしっかり理念を持ってやっていることは大きな決め手でした。
今、取り組んでいること
医療連携部という部署で営業をしています。営業先は福岡の介護施設や医療機関のほか、薬局の店舗開設業務もやっているのでクリニック・病院にも足を運んでいます。
また、去年新しく老人ホームなどの施設紹介事業を立ち上げたため、今は9割ぐらいそっちの方で動いています。今後も新しい事業ができるかもしれませんし、選択肢が色々広がっていく感じが面白いなと思っています。
自分でも、新しいことを生み出していきたいですね。営業がいる薬局って実はまだ珍しくて、中には「なんだあの薬局は」って思う人もいるんですよ。
でも何と言われても、会社が目指してるものはぶれないので。現場が一生懸命やっていて、さらにトップも理念に沿って社会のためにやっているから、営業の私も気持ちよく働けているんだと思います。
入社以前にしていたこと
出身は関東で、大学卒業後に大手の調剤チェーンで薬剤師をしていました。その会社が複数の企業とジョイントベンチャーを作るプロジェクトに参加したことから、ITに関わるようになりました。
ただ、医療とエンジニアの間をつなぐ人がいなくて、最初のプロジェクトはうまく行かなかったんです。その時、両方の知識がある人が必要だと強く感じました。
私にITの知識があれば、双方をうまくつなぐことができるんじゃないかと。そこからITの学校に通い、自分でもプログラミングしたりサービスを作ったりするようになりました。
何度か転職を繰り返した後、医療とITを両方できる会社はないかと探して見つけたのが『Hyuga Pharmacy』です。勤務地が福岡だったので、関東から出たことのない私はかなり悩みました。
でもITに力を入れている薬局はそんなにないだろうから、一度話を聞いてみようと思ったのが入社のきっかけです。
入社した理由
福岡の企業ということで最初は悩みましたが、自分にとって場所はそんなに重要じゃないと感じました。それよりも、どういう環境でどんな人たちと働けるかが大事だなと。
面接で「薬局でITを活用することを考えている」と聞いて、面白いことができそうという期待があったんです。
熱心に誘って頂いたことも大きいですね。3回ほどWebで面談し、一度関東で社長に会って、最終的に福岡に泊りで行って。自分の中でも何か引っかかった感じがありました。
他からもいくつかオファーは頂きましたが、具体的に何をやるかが一番はっきりしていたのが『Hyuga Pharmacy』だったので。
今、取り組んでいること
今はシステム部門の責任者をやっています。メインで扱っているのは、薬局の紙の報告書をIT化した「ファムケア」というサービス。もともと外注して作ってもらっていたシステムを、社内に引き継いで続けています。
私の一番の仕事は、エンジニアが働きやすい環境を作ることです。人を増やしながら、同時に開発や仕事環境の改善も進めたい。両方やっていかないと、いいサービスを早く作ることにつながりませんから。
うちの特徴は、エンドユーザーに近いことだと思います。開発したシステムを自社薬局で使うユーザーでもあるし、そこで積み上げたノウハウをボランタリー事業で外にも出していく。
医療業界のIT化がまだまだ遅れている中で、エンドユーザーのすぐ近くで開発ができるのは大きなメリットだと思います。
福岡県春日市春日原北町2-2-1
10,000万円
非公開
黒木 哲史
2009年1月
384名
医療/薬局/テクノロジー
YOUTURNからのコメント
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テクノロジーを駆使して在宅医療の未来を照らす
高尾大輔
YOUTURN 取締役 キャリアコンサルタント
医療 x ITの分野で圧倒的な知名度を誇る「エムスリー株式会社」と資本関係にあるのが『Hyuga Pharmacy』です。そして代表黒木さんからは、人生すべてをかけて「在宅医療の社会インフラ作り」に挑む決意を感じました。
全国に先駆け、リモートの服薬指導など業界の将来を見据えた在宅医療提供のオペレーションが強み。次のステージでは独自のノウハウをどのようにインターネットサービスに落とし込み、日本全国の調剤薬局と連携していけるか。
市場の拡大に向けた重要なステップになります。
また薬局の「店舗型ビジネス」と並行して、ネットサービスの「Saas型ビジネスモデル」で事業を伸ばすべく、システムエンジニアやセールスはもちろん、プロダクトマネージャーや事業開発経験者も募集。
すでに大都市で店舗を展開する事業基盤を持ちながらも、ITを推進するチームはまさに組織の立ち上げ期。社会を変える壮大な事業の屋台骨となり、活躍できる大きなチャンスと言えるでしょう。
事業が伸びれば伸びるほど、社会が良くなる。そんな素晴らしい企業が福岡に生まれたことを、私は誇りに思います。