仕事をするなら東京。キャリアのド真ん中で夫婦で福岡へ移住転職した理由

私の移住転職ストーリー
08/04/2023 更新

「いつかは生まれ育った地元に戻りたい。でも、パートナーの仕事はどうする?」

移住転職を考えるときに、この壁にぶつかる人は多いのではないでしょうか。

麻生塾の中関愛子さんは、コロナ禍をきっかけに関西出身の夫と福岡へ移住転職。ご夫妻に、移住前後の経緯や思いを伺いました。

※中関愛子さんの具体的な転職活動については、こちらをご覧ください。

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「いつかは戻りたい」が、コロナ禍で一気に具体化

――お二人とも西日本のご出身だそうですね。

愛子さん:私が福岡で夫が関西です。お互い就職で出てきた東京で出会って結婚。子どもが生まれて郊外に住居も買いました。


――東京を離れることについては、いつ頃から考えていましたか?

愛子さん:一番のきっかけはコロナ禍ですね。それまでも、福岡に帰省するたびに「いつかは戻りたい」という気持ちはありましたが、具体性はありませんでした。

裕一さん:コロナ禍で二人の仕事がリモートになり、通勤時間がなくなったんです。特に、それまで片道1時間40分かけてオフィスに通勤していた私にとっては激変でした。

愛子さん:家族で過ごす時間が増えて、「東京に住み続ける意味って何だろう」と考えるようになりました。夫とはコロナ禍の前から、「老後は東京にはいないかもね」とは話していました。それで2019年に「どんな仕事があるのか見てみよう」とYOUTURNに登録はしていたんです。コロナ禍で、それまで抱いていたふわっとした思いが一気に現実的なテーマになりました。


――リモート勤務ができるのであれば、転職をせずに移住するという選択も考えましたか?

愛子さん:それは初めからありませんでした。私の勤務先が、通勤できない距離でのリモート勤務は不可だったので。

裕一さん:私自身は、仕事があれば移住したいと考えていましたが、「そんなにうまく仕事が見つかるのか?」と半信半疑でした。当時はまだ、東京に住みつつも「移住したいなあ……」ぐらいの気持ちでしたね。東京に住み続けるのもありだと思っていました。

愛子さん:そうそう。「仕事ありき。仕事が見つかれば移住」という感じでしたね。東京の生活も便利で楽しかったので、仕事が見つからなければ東京に住み続けていたと思います。


――関西への移住は考えなかったのでしょうか。

裕一さん:あまり考えませんでした。私の地元は、関西のなかでも大都市圏から離れた地域にあり、地元への移住転職は考えにくかったですね。妻の実家がある福岡の方が、仕事面でも生活面でもベターだと思いました。実は、結婚して妻の実家に帰省するまで、私は福岡に来たことがありませんでした。年1、2回のペースで訪れるなかで、「いい街だな」と感じるようになったんです。

愛子さん:私は、初めからぐいぐい「福岡に戻りたい」とは夫に言いませんでした。でも、子どもの小学校入学前には移住したいと考えていたので、タイムリミットを1年ほどに設定して2021年の初夏ごろから転職活動に本腰を入れました。


――転職先は最初、同じ業種で探されたんですか。

愛子さん:YOUTURNに登録して、キャリアコンサルタントの高尾さんと面談した際、「中関さんのやってきたことは、業務の幅が広くてスキルを定義することが難しい」と言われました。どんな力が活かせるか、自分でもよくわからなかったので、職種にこだわりはありませんでした。
麻生塾は設立以来、人の成長をテーマに教育事業をおこなっている会社です。人と人とのコミュニケーションや繋がりは、私も一番大事にしている部分で。いくらAIが進化して、業務効率化したとしても、それを使うのは人じゃないですか。
教育系の仕事は経験がなく、想像もしていなかったんですが、人を育てることに特化していて、代々、人間教育を大事にしてきた麻生塾のビジョンに共感しました。

移住・転職・卒園 家族のライフイベントが集中

――ご夫妻ともに転職活動をする場合、移住転職までの日程を合わせるのは大変だったのではありませんか?

愛子さん:そうですね。私の転職活動が前のめりだったこともあり、麻生塾への転職が決まったのが予想以上に早かったんです。率直に、「夫の転職先が決まらないと、そもそも移住しない可能性もあります」と伝えたところ、有難いことにとても配慮してもらいました。内定が出たのが夏で、入社が翌年の2月です。

裕一さん:当時、私は転職サイトを閲覧し始めたぐらいの段階でした。妻の仕事が決まったと聞いて「はや!」と驚きましたね。妻も私もIT寄りの仕事をしていて、コロナ禍でデジタル系のニーズが増えたとは言え、それにしても早いなと。私は3社ほど面接を受け、10月に内定が出ました。妻の内定時期とはタイムラグがありましたが、引継ぎなどを踏まえて、先に2月に福岡へ移住しました。


――ご夫婦で移住の時期をずらされたんですね。

愛子さん:2月に夫が先に福岡へ行き、私は3月末の卒園式まで、子どもと東京に残りました。2月入社でしたが、入社直後の2か月をリモート勤務にしてもらったんです。その間も福岡の小学校の情報収集をしたり、家の売却手続きを進めて引っ越しの準備を整えたりと、とても忙しかったですね。


――移住転職という一大プロジェクトのなかで、ご夫婦の意見が食い違うことはありましたか?

愛子さん:私はできるだけ実家の近く(福岡市中心部)に住みたかったのですが、夫は「福岡もいろいろあるから、他のエリアも見てみたい」と。家の広さや家賃や立地など、お互いが許容できるギリギリのところで決めました。移住転職活動のなかで、転居先に関することが最も意見をぶつけ合ったポイントかもしれません。


――逆にいえば住まい以外に関しては、お二人の思いは同じだったのでしょうか。

裕一さん:「仕事があれば移住するし、なければ移住も転職もしない」という点では二人の意見は始めから一致していて、変わることもありませんでした。

愛子さん:意見が分かれることはありませんでしたが、「仕事が見つかるかな?」とはよく話しましたね。子どもの小学校入学までに移ろうとスケジュールを決めていたので、焦りを感じることもありました。

「家族で過ごす時間が増えた」「もう満員電車には戻れない」

――福岡への移住後、ご家族の生活面での変化はありますか?

愛子さん:帰宅時間が早くなり、子どもと過ごす時間が増えました。特に夫は、東京では平日子どもが起きている時間に家にいないことが多かったんです。それが今では、一緒にお風呂に入る時間に帰宅していますね。

裕一さん:二人とも通勤が自転車になりました。もう、満員電車には戻れませんね。

愛子さん:私は週2日ほどリモート勤務です。電車に乗ったとしても15分ぐらいの距離なんです。仕事が終わるころに私の実家から、「ごはんをたくさん作ったから、食べに来なさい」と連絡がくることもしょっちゅうです。ありがたいですね。週末は、車で30分ほどのところに住む兄家族のところへ行って、子どもは歳の近いいとこと遊んでいます。東京では近くに身寄りがなかったことを考えると、福岡では何かあれば近くに親族がいるという点で安心感が強いです。街がコンパクトで家の近くに何でもあるので、遠出が減った気がします。

裕一さん:妻の仕事は忙しそうですが、楽しんでいるようなので私もハッピーです。


――お互いのご両親に、福岡への移住を報告したときの反応はいかがでしたか。

裕一さん:ずっと東京にいるだろうと思われていたので、驚かれました。もしかすると「関西に戻ってきてほしい」という気持ちもどこかにあったのかもしれませんが、私自身は仕事の意味で「東京 or 福岡」という気持ちでしたね。両親も、理解してくれていると思います。

愛子さん:私の両親からは喜ばれました。同じく、「ずっと東京にいて戻ってこないと思っていた」と驚かれましたが。変に期待を持たせたり、がっかりさせたりするのは避けたかったので、二人の転職や移住のめどが立ってから報告しました。

コロナ禍がなければ移住転職もなかった

――改めて、移住転職活動を振り返っていかがですか。

愛子さん:コロナ禍がなければ、移住転職をしていなかっただろうなと感じます。転職活動自体がそもそも大変だし、普段の仕事があるなかで飛行機移動して面接を受けるとか、とてもできなかったですね。

裕一さん:妻も私も、仕事をするなら東京だと思っていました。それがコロナ禍でリモートになり、デジタル系の仕事のニーズが地方でも増えたことで状況もマインドも変わりましたね。仕事があるのなら、移住転職してもいいのではと。
かと言って、東京での仕事を辞めてから福岡の転職先を探すのはリスクが高すぎます。コロナ禍で、仕事だけでなく転職活動もオンラインで進められたのは、大きな変化だったと思いますね。福岡で仕事が見つかり、仕事面でも生活面でも一歩を踏み出すことができました。

<執筆後記>

コロナ禍が家族のターニングポイントになった中関さん夫妻。「仕事が見つからなければ東京での生活を続ける」というオプションを残しながら、移住転職を実現しました。

YOUTURNでは、皆さんのご状況に合わせた転職相談をおこなっています。九州・福岡への移住転職をお考えなら、ぜひ一度お問い合わせください。

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著者 YOUTURN編集部
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