移住を決断させた、研究職キャリアが活かせるバイオベンチャーとの出会い

私の移住転職ストーリー
01/04/2021 更新

専門性の高いキャリアを持つ人ほど、移住をともなう転職を難しく感じるのではないでしょうか。

熊本県出身の谷口さんは、関東の製薬会社で研究職として働きながら「いつか九州に戻りたい」と考えていました。しかし、専門職は求人の幅が狭くなることから、なかなか移住に踏み切れなかったと言います。そんな中でYOTURNに紹介されたのが、九州大学発のバイオ系ベンチャー・KAICO株式会社でした。

蚕を使ってワクチンを作るという事業内容と、自身の興味・専門がぴったり合った谷口さん。福岡への移住・転職の経緯を伺いました。

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「住むなら関東より九州」と夫婦で考えが一致

ー谷口さんは熊本大学の薬学部を卒業後、大学院で博士号を取得。その後、「研究成果を製品化したい」と、関東の製薬会社へ就職しました。

もともと医学や生命科学の領域が好きで、高校の頃から医療系に進みたいと思っていました。しかし医学部を受験したものの受からず、じゃあ薬学に行こうと。大学で勉強を始めると基礎研究が面白くなってきて、結果オーライでした。

大学院で博士号をとったので、そのままアカデミックで研究する道もありましたが、当時は研究成果を製品として市場に届けたいという思いがあり、就職を選んだんです。

また、いつか起業してみたいとも考えていたので、将来のためにも裁量権ある役職に行きたいと思い、面接では「社長や取締役を目指します」と大きいことを言いました(笑)。しかし実際には、社内にしっかり年功序列があってちょっと難しそうだなと。

その次に、よりビジネスに近い現場で働きたいという思いがあり、学術職という医薬品のスペシャリストが集まる学術部に異動しました。そこでは医師やMRの方々と関わりながら、医薬品の販促支援、まだ満たされていない医療ニーズの調査、立案などをしていました。

関東で働き続ける一方で、「九州に帰りたい」とも思っていたんですよ。ちょこちょこ求人はチェックしてたんですが、なかなか私の専門領域と九州の求人がマッチングしなかった。

いったん諦めて、「治療」の前段階である「診断」の分野に興味が湧いてきていたので、そこで今度は富士フイルムに転職し、患者さんの傍らで迅速に検査情報を得るPOCT(Point of Care Testing)に関わる商品企画部に入りました。


ー移住に向けて具体的に動き始めたのはいつ頃ですか?

2019年の夏頃です。たまたま福岡の求人に特化したYOUTURNを知り、登録したことがきっかけです。

移住を考え始めたのはもっと早くて、まだ最初の製薬会社にいた頃でした。ただ行動の1番のきっかけとなったのは育児です。結婚して子どもも生まれたんですが、妻が福岡出身で、彼女も「住むなら関東より九州の方がいい」と言っていたんです。

当時は関東に妻の姉夫婦が住んでいたので、お互いに行き来していました。しかしその後、姉夫婦が別の場所に引っ越してしまい、ちょっと育児に詰まってしまって。

夫婦で話す中で、人の多さや距離感、電車の混み具合などを考えても、九州で生まれた人間はやっぱり九州が合うよねと。育児しやすい環境を求めた結果、福岡に移住したいと思うようになりました。

会社の未来は自分たちで変えられる

ー福岡に自分と合う求人があるか半信半疑だった谷口さんは、YOUTURNから紹介されたKAICOがバイオ系の企業と知って驚いたそうです。

YOUTURNからKAICOの詳細が送られてきた時は「おおっ!」と思いました。ニッチなバイオ会社を見つけてくるなと。ただ、最初は、「研究者がやっているアカデミック寄りの会社」と勝手に推測しました

それなら大学にいるのとそんなに変わらないし、サービスにもどこまで期待できるか分からないと思ったり。

でもよく調べたら、代表の大和が九州大学のビジネススクール出身で、優れたコア技術を持たれている九大の先生方と協力してうまく事業をやっている。そこに興味を持ちました。


ー代表と面談した時の印象はどうでしたか。

蚕を使ってタンパク質を作るだけでなく、そこから診断薬やワクチンにチャレンジしていると聞き、非常に面白いと感じました。ハードルが高いことに挑戦しているところにグッときて。

また、代表の人柄も自分に合っていると思いました。ベンチャー企業の社長って権力を振りかざすワンマンタイプが多いのかなと勝手にイメージしてたんです。でも代表の大和はどちらかというとソフトな印象で、社員に裁量権を任せてくれる。そこも良かったですね。


ー前職が大企業だったところから、スタートアップ企業に転職することについて不安はありませんでしたか。

特に不安はなかったです。逆に縦割り文化がないので、何でもやりたいタイプの自分には合っていました。将来への不安が全くないわけではありませんが、自分達が頑張れば未来はどうにでも変えられると思っています。

親の方が最初は心配していましたね。でも、KAICOの社員としていくつかメディアに出させてもらうようになって、何をやっているかや将来性が伝わり、不安感も減ったと思います。


ー2020年の1月に入社されて、今はどのようなお仕事をしていますか。

少人数制のベンチャー企業なので、役職や専門分野に限らず、みんなで協力しながら取り組んでいます。今KAICOでは、医薬品原薬を製造できるGMP施設を立ち上げようとしているので、品質関連の業務ですとか、薬事に近い申請や助成金取得などもしています。

あとは営業的なところでプレゼンやピッチ、商談も行います。外とやりとりしながら進めていく業務が多いですね。裁量性がある仕事で、非常に満足しています。


ー今後の目標を教えてください。

ヒト用のワクチン、動物用のワクチンの上市を目指していきたいです。あくまでタンパク質生産をメインとしたプラットフォーム事業なので、共同開発先との提携が必要です。

そのために、まだまだ医薬品・診断薬の開発・受託案件など色んなハードルがあるので、社内で連携しながら1つずつ攻略していきたいです。その先に上場を見据えています。

ヒト用の医薬品開発は、再来年ぐらいに本格化する予定だったんですが、新型コロナウイルスの影響で前倒しになりました。今年10月、九州大学の先生方が研究開発したものを技術導入して、「新型コロナウイルス抗体検出キット」を埼玉のバイオベンチャーと共同開発しました。今後も「アカデミックの価値を社会の価値へ変える」というミッションのもと、世の中へ価値を提供できる製品を生み出していきたいです。

福岡のゆるいコミュニティが心地いい

ー福岡に住み始めて「いいことしかない」と語る谷口さん。移住前と後で、ギャップはなかったのでしょうか。

いい意味でのギャップはありましたね。例えば、東京で電車に乗ると優先席にも大体人が座ってるじゃないですか。福岡だと、優先席の対象者だけがちゃんと座っていて、そうじゃない人はあえて立っていたりとか。そういう文化の違いが面白いです。もちろん食べ物が全部おいしいことも嬉しいですし。

それに関東では、近所の人との交流がほぼありませんでした。でも今住んでいるところでは、マンションの中にゆるいコミュニティがあります。そこまで深く関わってはいないけれど、子ども同士が一緒に遊んだりはできる。その距離感がすごく心地いいですね。


ーあえてネガティブなポイントを挙げるとしたら、何かありますか。

そうですね……。たまに運転が荒い車がいるとか、ちょっとやんちゃなバイクが通ってるとか(笑)、それぐらいですね。


ー最後に、YOUTURNを利用した感想を教えてください。

福岡の求人に特化してることが面白いと思います。自分のように、ピンポイントで刺さる人には非常に刺さるんだろうなって。キャリアコンサルタントの高尾さんに面談して頂いたんですけど、非常にフランクかつ親身に接してもらいました。

他の転職エージェントと比べて、YOUTURNは1人1人にかける時間が多いと思います。転職希望者のバックグラウンドから深掘りして聞いて、人間性を理解した上でマッチングしてくれる。

私も、KAICOというぴったりの会社がなければ、まだ東京にいたかもしれません。YOUTURNと出会えて、本当に良かったと思っています。

<執筆後記>

「自分の研究を製品化して世の中に役立てたい」と考え、関東で異動・転職を繰り返していた谷口さん。その希望を叶える企業は、福岡にありました。

谷口さんが求めていたポジションは、書類だけで簡単に当てはめることは難しかったかもしれません。YOUTURNのキャリアコンサルタントが、谷口さんのビジョンや希望をヒアリングした結果、「この人にはこの会社しかない」と言えるマッチングが実現しました。

「ネットの検索では希望の仕事が見つからない」と思っている人こそ、YOUTURNへの登録をお勧めします。転職と移住、どちらも妥協することがないよう、将来を見据えた選択をしていってください。

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著者 YOUTURN編集部
YOUTURNは、累計100名以上のハイクラス・エクゼクティブ、大都市の最前線で活躍されたビジネスパーソンの九州・福岡への移住転職を支援するエージェントです。地域特化、UIターン転職ならではフル・オーダーメイド転職支援を通じて、今世の中の求人票にはない、あなただけの求人ポジションをつくります。

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