40歳からの転職と移住。コールセンター業界から未経験の金融業界へ
40代からの異業種への転職と聞くと、ネガティブなイメージを持つ人もいるのではないでしょうか。
ふくおかファイナンシャルグループの関連会社であるみんなの銀行設立準備株式会社(以下、みんなの銀行)で働く川畑さんは、40歳で転職と移住を同時に成し遂げました。18年間キャリアを積み上げ、管理職にもなっていたコールセンター業界から、まったく未経験の金融業に飛び込んだのです。
「従来の銀行のイメージと異なり、みんなの銀行はベンチャーのような雰囲気で驚いた」と語る川畑さん。40歳からの転職をどう実行したのか、お話を伺いました。
「今決めないと後悔する」と思った
ー鹿児島県出身の川畑さんは、福岡の大学に進学後、コールセンター事業のべルシステム24に新卒で入社しました。そこから約18年間、着実にキャリアを積んでいきます。
ベルシステムでは転勤があったため、福岡勤務の後、仙台に5年、東京で4年ほど働きました。コールセンター運営で現場を回す仕事と、テレマーケティング事業で商材を売る仕事、両方経験しました。
アウトソーシングも担当していたので、様々な企業と接点を持つことができありがたかったです。最後の4年間はほとんど営業をやっていて、人材やソリューション関連の経験も積みました。最終的にはマネージャーという、いわゆる管理職を任されていました。
転職を考えたのは40歳になったタイミングです。次のステップを考えたときに今の会社でいいのか、もっと社会貢献できてスキルアップもできる仕事がないだろうかと。さらに子育て環境も考慮して、何が自分や家族にとってベストなのかを1年~2年ほど考え続けていました。
ーずっと迷われていた中で、転職を決断したきっかけは何ですか。
当時、任されていた大きなプロジェクトが一段落したことに加え、子どもが小学生になる時期が近づいてきたので、そこを区切りにしてしまおうと。
転職するなら別に都内でいいんじゃないかとも考えたんですよ。でも今までと似た環境で働き続けて見えるものと、思い切りチェンジしたときに見えるものは絶対違う。今のタイミングで決断しないと後悔すると思いました。
もともと妻も同じ会社に勤めていたので理解してくれましたし、色んな人に相談しながら意思を固めていったんです。
しかし、転職と移住をセットで考えた場合にどう段取りをつけていけばいいかは、YOUTURNに出会うまで全く見当がつきませんでした。他の転職エージェントにも登録したんですが、移住のアドバイスや、地域に特化した紹介は特になかったので非常に悩ましかったです。
他社とは違ったYOUTURNの対応
ー大手エージェントで「福岡に行きたい」と言っても、反応がイマイチだったという川畑さん。年齢もあり、移住に対する不安は大きかったといいます。
転職活動を始めた時期に、たまたまFacebookを開いたらYOUTURNの広告が目に入って「あっ」と思ったんですよ。すぐにサイトを見にいって「何かちょっとワクワクするな」と。
他のエージェントに相談しても、「どうしても福岡じゃないとダメですか」と言われたりしてなかなか話が進まなかったので、福岡に特化しているYOUTURNのイベントに参加してみようと思いました。
もう40歳だし、同年代の人がいるのか心配だったんですけど、イベントで「他にも移住を考えている仲間がいるんだ」と思えたことは大きかったです。
ー実際にYOUTURNを利用してみてどうでしたか。
他と比べて、スタッフの方の熱の入れ方や接し方に違いを感じました。キャリアコンサルタントの高尾さんから、どこで判断すべきかなど具体的なアドバイスを頂いて「賭けてみよう」と思えたんです。短時間の面談と書類だけで、私の強みを持って売りに行って頂いてるのも心強くて。
他のエージェントと話していたときは、同じ内容で淡々と聞いてく感じで、スクリプトがあるのがよく分かりました。多数の案件の中から、人材をパーツに当てはめていくアプローチなんだと思います。
でも高尾さんの話は、案件ありきには聞こえませんでした。紹介してもらう案件に、ワクワクやチャレンジできる要素があり、何かしら期待されている感じが嬉しかったです。
福岡の求人市場や仕事のポテンシャルについても教えて頂き、「自分が福岡に戻ることは間違ってない」と確認できた。転職や移住に対して不安がある中、勇気づけられました。
ー転職先を、異業種のみんなの銀行に決めた理由を教えて下さい。
福岡を出て10年経っていたので、現在の福岡銀行が何をやってるかは全然知りませんでした。高尾さんから、「今はかなり変わって、色々とチャレンジする会社になってますよ」と教えてもらったんです。
色々と話を聞くうち、「今まで培ったスキルを活用できて、かつ違う業界にいけそうだ」と思ったことが決め手ですね。
ー面接をしたときの印象はどうでしたか。
「銀行ってこんなにフランクなんだ」と、いい意味でイメージが裏切られました。通常の面接では「あなたはどういう仕事を成し遂げてきましたか」といった部分がメインになると思います。
みんなの銀行の人事担当者は初めからざっくばらんに「うちの現状はこうで、こういう課題があって」と話してくれて、面接がもう面白かった。私の人となりも引き出そうとしてくれましたし、ちゃんと人を見る企業なんだと感じました。
他にも何社か受けましたが、こういう気持ちのいい面接はあまりなかったですね。どちらかというとベンチャー寄りの雰囲気があり、本気で新しいことをやろうとしているのが伝わってきました。
さらに年収についても、希望年収にプラスアルファで返ってきたので非常に驚きました。未経験の業界ですし、上げられる要素はないと思っていたので。仕事の面白さと条件面が全てうまくハマった感じです。
異業種だからこそ活かせるスキル
ー今年の7月にみんなの銀行設立準備会社に入社した川畑さんは現在、新しい銀行の開設に向け、コールセンターの業務設計をしています。
今はコンタクトセンター設立に向けた人の採用計画だったり、マニュアルを作ったり、システム系の動作確認などをしています。組織を作るためのプランニングと実行作業を両方やっている感じですね。
これまでのスキルを活かしながら、新たに金融の知識やルールを吸収し、落と込んでいる最中です。
金融系ってハンコを持って社内を回らないといけないイメージがあったんですが、全然そんなことはなかったです。個々のメンバーが責任を持ってやりましょうという雰囲気で、プロセスや段取りに対して何か言われることはほとんどありません。
役職が上の方々ともフラットに議論しながら進めています。
ー未経験の業界ならではの苦労はありますか。
まだ知識が足りない部分はありますが、自分が劣っているとか、業務がうまくいかないと悩むことはないですね。コールセンターやコミュニケーション系の専門知識を持つスペシャリストとして採用して頂いてるので、「そういう考え方もあるんですね」と頼りにしてもらえるし、強みを持って入れたことが良かったと思います。
また銀行ならではのアプローチ方法など、異業種ならではの発見も多いです。どんな些細なサービスでも、何度も議論を重ね、色んな視点で堅牢に作られている。お金を扱ってるだけに皆さんすごく鋭いですね。
そういった昔から続くいい部分を見させてもらいながら、ベンチャー的な雰囲気で働けています。転職して来ている方も多いですし、私だけが浮くこともないです。
ー移住後の生活はどうですか。
特に不満はないですが、ちょっと寂しさみたいなのはあるかもしれないですね。やっぱり、東京は新しいものがどんどん出てくるじゃないですか。そこに触れる機会が、福岡にいると遅れるかもなあと。
ただ幸いなことに、うちは東京にも拠点があるので、そこの方々と早めにコミュニケーションを取っていけば大丈夫だろうと思います。転職と、コロナで外に出られない時期とが重なって、より不安や寂しさを感じているのかもしれません。
住環境に関しては、事前にしっかり調べていたこともあり格段に良くなりました。賃貸がいいのか、家を買った方がいいのかを検討するため、まず東京で相場やプロセスを調べたんです。それから福岡に1週間ほど滞在して、色んな地域を調べて回りました。
そのおかげで家も買えましたし、これからは育児も腰を据えてできると期待しています。
<執筆後記>
川畑さんは、転職や移住に不安を持ちながらも、自身の将来や家族にとって何が最善かを考え、行動に移しました。
異業種であっても、あなたのキャリアを活かせる分野であれば、条件面を妥協することなく転職することも不可能ではありません。
少しでも福岡移住に興味があるなら、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。