<新春特別企画>2026年、“決断しない人”から動き始めている ~YOUTURN共同代表対談~
みなさん、あけましておめでとうございます。YOUTURNの共同代表、津金です。
福岡に帰りたい。その気持ちは、もう自分の中ではっきりしている。
それでも、多くの人はすぐには動きません。理由は単純で、キャリアに対する不安が拭えないからです。
年収は下がるのか。東京で積み上げてきた経験は、地方でも通用するのか。いまはまだ評価されていないが、これから伸びていく途中のキャリアを、ここで止めてしまっていいのか。
この数年で、YOUTURNに寄せられる声は、確実に変わってきました。増えているのは、「今すぐ転職したい」という切迫した相談ではありません。
「帰りたい気持ちはある。でも、決断はまだできない」。そんな“状態そのもの”を抱えた人たちの動きです。
九州・福岡に特化して移住転職を支援してきたYOUTURN共同代表の津金大樹と高尾大輔が、いま現場で起きている変化について語ります。
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「福岡に帰りたいかどうか」で迷う人は、ほとんどいない
高尾:
最近の面談を振り返ると、「福岡に帰りたいかどうか」で迷っている方は、本当に少なくなったと感じています。父母のこと、子育て環境、東京での生活リズムへの違和感。
理由は人それぞれですが、「このままでいいとは思っていない」という感覚は、かなり共通しています。
みんな福岡に帰りたいんですよ(笑)。帰りたい、という気持ちそのものは、もう整理できている。問題は、その先です。
津金:
「場所」については腹落ちしているけれど、「仕事」の話になった瞬間に慎重になる。その切り替え方は、ここ数年でよりはっきりしてきた印象がありますね。
高尾:
そうですね。仕事の話になると、「キャリアだけを考えると、今はまだ動けない」という言い方をされる方が多い。場所ではなく、キャリアの扱い方で立ち止まっている印象があります。
不安の中心にあるのは、やはり「キャリアダウン」
津金:
相談を分解していくと、多くの方が気にされているのは、やはり年収や役割です。「地方転職=年収ダウン」というイメージは、頭では理解していても、感情としては簡単には割り切れない。
高尾:
実際、「下がる可能性は高いですよね?」と、かなり率直に聞かれます。その問いに対しては、曖昧な返答はしません。下がる可能性は高まります、と正直にお伝えしています。
津金:
そこを濁さない、というのはYOUTURNとして一貫していますよね。
高尾:
はい。そのうえで、必ず立ち止まって考えるのが、「それだけで判断していいのか」という点です。
東京での年収が、そのまま“納得感”につながっているかというと、必ずしもそうではないケースも多い。「今の年収に見合う手応えを感じていない」という声も、正直かなりあります。
津金:
東京は市場が大きい分、階層も多い。実力があっても、どうしても“順番待ち”になる構造はありますよね。
高尾:
一方で福岡では、「任せるからやってみて」と言われる場面が、比較的早く訪れることもある。その違いをどう捉えるかは人それぞれですが、数年後に振り返ったときに、「あのとき年収だけで判断しなくてよかった」と話す方がいるのも事実です。
「今すぐ動かない」ことを、ちゃんと選んでいる
高尾:
最近は、「3年くらいかけて考えたい」という相談が本当に増えました。今すぐ転職する気はない。でも、何も考えずに時間が過ぎるのは嫌だ、という感覚です。
津金:
それは「先送り」とは、明確に違いますよね。
高尾:
はい。むしろ、「時間を使ってキャリアを扱おうとしている」。そういう印象を受けます。
子どもが小学校に上がるまで。
親の体調を見ながら。
今の会社で、どこまで経験を積めるか。
多くの方が、すでに具体的な時間軸を持っています。
津金:
「決断していない=何も考えていない」ではない。むしろ逆で、深く考えているからこそ簡単に決められない。その慎重さは、いまの時代には自然だと思います。
「裁量が大きい」よりも、「実感が返ってくる」
津金:
地方転職のメリットとして、「裁量が大きい」「早く任される」といった言葉がよく使われます。ただ、実際に移住した方の話を聞いていると、もう少し違うニュアンスを感じます。
高尾:
最近のインタビューでも多いのは、「役割が増えた」という話より、「自分の判断が、そのまま現場に返ってくる感覚」です。
東京では分業が進んでいて、自分の仕事がどこまで影響しているのか、見えにくい場面もあります。
その点、福岡では「この判断で誰かが助かった」「この選択が事業に影響した」と、実感が返ってきやすい。
津金:
成果も課題も、距離を置かずに返ってくる。その近さを、前向きに受け止める方が増えていますね。
最近は、企業側も「待つ」ようになってきた
高尾:
この変化は、個人側だけの話ではありません。採用する企業の姿勢も、ここ1〜2年で明らかに変わってきています。
以前は、「今すぐ埋めたいポジションがあるから、すぐ動ける人を」という相談が主流でした。
ところが最近は、「今年は難しいかもしれないが、いずれ戻ってくる可能性がある人と、今のうちに話しておきたい」という言い方が増えています。
津金:
短期で採る、というよりも、中長期で関係をつくる前提ですよね。
高尾:
はい。「この人は今すぐじゃなくていい」「来年、再来年に声をかけたい」。そんな前提で面談をするケースも、珍しくなくなりました。
採用する・しない、という二択ではなく、「この人と、どういう時間軸で関わるか」を考えている感覚に近いです。
津金:
背景には、企業側の評価軸そのものが変わってきていることがあると思います。
これまでは、会社名や役職、年収といった“結果の履歴”が重視されてきました。でも、それだけでは判断しきれなくなっている。
高尾:
「きれいな経歴だけでは見えない部分がある」という声は、確かによく聞きますね。
津金:
いま企業が見ようとしているのは、「不確実な状況のなかで、どう考え、どう判断してきたか」というプロセスです。
すぐに転職していないこと自体よりも、その間に、どういう問いを持ち、どう時間を使ってきたか。そこを見ようとする企業が、確実に増えています。
「決断しない」という状態を、否定しない
津金:
2025年の移住転職を見ていて感じたのは、「決断しない人が増えた」というよりも、決断との向き合い方が、静かに変わり始めているということです。
高尾:
面談の現場で話を聞いていても、その変化ははっきり感じます。
以前は、「怖いけれど決める」「覚悟を決めて飛び込む」という語り方が主流でした。
いまは、「怖さを無視しない」「不安を前提に設計する」という姿勢が、現実的な選択肢として受け止められています。
津金:
決断しない状態を続けている方ほど、キャリアを雑に扱っていないと感じることも多いですね。迷っている、考えている、立ち止まっている。
その時間自体が、キャリアの一部になっている。
高尾:
これは弱さというよりも、キャリアが長期戦になり、人生の変数が増えた時代ならではの姿勢だと思います。
一度の決断で全てを決めきるのではなく、選択肢を持ち続けながら、状況に応じて更新していく。そうした考え方が、ようやく一般的になってきた感覚があります。
津金:
だからこそ、私たちも無理に背中を押すことはしていません。帰りたい気持ちがあるなら、それだけで十分スタートラインに立っている。あとは時間を味方につけながら、自分なりの納得解を探していけばいい。
それでも、僕たちはやっぱりU・Iターン転職した方々の豊かな人生を見てきているから。
やっぱり、最後までこの対談を読んで下さった方々には、結局「絶対に福岡・九州への移住転職をした方がいいですよ!」って、オススメしちゃうと思います(笑)
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