R&D、コンサル、独立。そして自治体向けビジネスへ。福岡で積み上げたキャリアと「仲間とつくる」喜び

私の移住転職ストーリー
11/28/2024 更新

防衛大学校出身の元自衛官から、ビジネスコンサルタントへ。

独立後LINEヤフーコミュニケーションズを経て、現在は自治体向けのサービスを展開する株式会社ホープで活躍する堀田さん。東京での経験を活かしながら、故郷・福岡で新たなキャリアを築いています。

今回は、これまでのキャリアの変遷や、福岡への移住を決意した経緯、そして現在の仕事についてお話を伺いました。 ▼【無料・登録所要時間3分】YOUTURN会員登録はこちらから!

国を守る研究職の道から、ビジネスの世界へ

堀田さん
――まず、これまでのキャリアについてお聞かせください。

防衛大学校出身ということもあり、最初は自衛官として、陸上自衛隊化学科での研究・開発系のキャリアを歩んでいました。そのなかで、公的機関ならではの課題も見えてきました。

たとえば、大規模な予算を投下して、10年先に必要なプロダクトを想像し、研究/開発をしています。

このような長期的な開発プロジェクトでは、世の中の変化のスピードについていけず、完成時にはすでに現場のニーズと合わなくなっているケースが少なくありません。

でも、一度組まれた予算で動き出したプロジェクトを止めることは難しい……。

そういった予算の使い方に疑問を感じ、「組織を外から変えられないか」と考えるようになりました。


——そこで見つけたのが、ビジネスコンサルティングという世界だったんですね。

実は、米軍をはじめ諸外国の軍事的組織には既にコンサルタントが入っており、ビジネス界隈のナレッジを横展開させて業務効率化等、様々な支援をしています。日本の自衛隊でも、いずれそれが一般的になるだろうと考えました。

そこで、2つ目のキャリアとして、コンサルティング会社に転職したんです。将来的に、コンサルタントとして防衛省の内部の構造改革に携わりたいという思いがありました。


――コンサルタントとしての経験はいかがでしたか?

相当ハードな日々でしたが、とても充実していました。成長著しい会社の拡大フェーズを中で体感できたのは、本当に財産になっています。また、優秀な先輩方と一緒に働ける環境は、本当に恵まれていたと思います。

そのような経験を積むなかで、ある案件で、フリーランスのコンサルタントとご一緒させていただく事があり、「そういう働き方もあるのか」「自分でもプロジェクトを動かしていけるのではないか」という想いが芽生えてきました。

そこで次のステップとして独立を決意し、フリーランスとしての活動を始めたんです。

家族の誕生と、福岡への移住

――福岡への移住を決めたきっかけについて教えてください。

大きなきっかけは妻の妊娠でした。フリーランスとしての収入は会社員時代よりも増えていましたが、3か月後、4か月後の契約更新は保証されていない。

そうした状況のなかで、実家のサポートを得られる福岡への移住を考えました。実は妻も私も福岡出身です。妊娠のタイミングで、一緒に福岡に帰ろうという話になったんです。


――移住後は、LINEヤフーコミュニケーションズに入社されたとのことですが、そこではどのような仕事をされていたんですか?

LINEの持つ様々なAI関連プロダクトに携わらせていただきつつ、部全体の組織開発機能を担う部署のマネージャーをしてました。

携わらせていただいたのは「音声認識」「自然言語処理」「音声合成」の要素技術を組み合わせたプロダクトで、そのプロジェクトマネージャーなどを務めました。具体的には、コールセンター業務のAI化です。

転職を後押ししたのは「仲間と一緒に何かを達成することの喜びを感じたい」という思い

――そこからホープ社への転職を決意されたきっかけは何だったのでしょうか。

大きな転機となったのは、親会社の経営統合でした。私が担当していたAI事業は、結果的に別の企業へ吸収分割されることになったんです。その後、事業戦略を練り直すことになり、半年ほど比較的余裕のある期間がありました。

その間、副業も積極的に行っていて、福岡という離れた土地から、東京の面白い仕事ができるし、なおかつ収入面でも十分ではあったのですが...ずっと、どこか物足りなさを感じていました。


――物足りなさというのは、具体的にどういった部分でしょうか。

LINEヤフーコミュニケーションズ(当時はLINE Fukuoka)は、親会社であるLINEヤフーから業務委託で仕事を受けるBPO的な位置づけだったんです。そのため、真に事業を動かしていくという実感が得にくかった。

これはコンサルタントとしての働き方とも同じ感覚で、「いわゆる業務委託としての働き方」としてのジレンマと頭では理解はしていましたが、心は納得できておらず、常に「仲間と一緒に事業をつくっていく」という実感が持てないもどかしさがありました。

そんなときに、YOUTURNの高尾さんを通じてホープ社を紹介していただきました。最初はカジュアル面談という形でCOOの森さんとお会いしたのですが、その場でかなり突っ込んだ質問をされましたね。

特に印象的だったのは、私の「将来的に防衛省に外からアプローチしたい」という思いに対して、そもそも何が問題と認識しているのか、どうアプローチすると良さそうなのか、なぜそう考えるのか、徹底的にロジックを掘り下げられたこと。その真摯な姿勢に強く惹かれました。


――ホープ社を選んだ理由を教えていただけますか。

大きく2つあります。1つは「仲間と一緒に何かを達成する」という充実感を得られる場所だと感じたこと。もう1つは、将来的に防衛省に働きかけるという自分のビジョンに向けて、toG領域のビジネス経験を積める環境だと考えたことです。

四苦八苦しながらの毎日、そのぶんやりがいも大きい

――現在のホープ社での具体的な役割を教えていただけますか。

私が所属するビジネス開発部は、ジチタイワークス事業の新規サービスの開発を担当する部署です。

会社としては大きく2つの部門があり、BtoG(Business to Government)事業部が主力の売上を担当する一方で、私たちは新しいサービスをテストし、スケールする可能性を探る役割を担っています。

スケールする可能性のあるものを見つけ、仕組み化して、最終的にはオペレーションで回せる状態にする。それが私たちのミッションです。


――ホープ社において、堀田さんにはどのようなことが期待されているとお考えですか。

1つ目が、「公務員も稼げる世界を作ること」です。公務員が稼ぐというと、少しセンシティブな話にも聞こえると思いますので、少し背景を説明させてください。

僕の周りもそうですが、地方公務員の方々は、地元への愛や、地元の環境を良くしたいというアツい思いがあって就職されている方々が多いと思っています。

しかしその一方で、所属組織の物差し上「優秀」とされる人が離職する事象は、私が公務員を卒業してから、年々多くなってきている印象があります。

この離職理由や背景を深く掘り下げていくと、収入面での物足りなさや、やりたいことができない環境といった課題がぼんやりと見えてきました。

こうした要素(副収入や、やりたい事もできるという可能性)を我々が外部から提供する事で、「副収入を得ながら、なおかつ自分がやりたいことを実現できる」という環境を整えることができるんじゃないかと思っています。

ホープにはそれを実行できる可能性があると思っていますし、「職員の方々が、元気に、自分のやりたいコトに集中して働ける」。

その延長には「各地方が各地方の力で盛り上がっていく」そんな世界を作れるんじゃないかなぁと、ワクワクしていて、現在は一つずつ検証を進めているところです。

2つ目は、既存のソリューションに、更なる付加価値を乗せることです。

たとえば、企業が自治体にアプローチする際に、市場調査や認知拡大といったプロセスがあり、そのプロセスを効率的に進めるために弊社のソリューションが選ばれています。

企業側が我々に求めているコトは、既存のソリューションだけではないはずです。我々が20年程自治体マーケットで培ってきたノウハウも欲しいはずです。そのようなノウハウを切り出して、オプション化する。

このように企業側ニーズを拾い、サービス化することで、より多くの価値を届けられると考えています。その一つのメニューとして、ビジネスコンサルティングのアプローチも動いています。


——実際にホープ社で仕事をしてみて、いかがでしたか。

とてもおもしろいですね。実際に、いろんな案件を通して公務員の方々へ深いインタビューを実施して、人口減少のような全国共通の課題から地域特有の課題まで、さまざまな問題が浮かび上がってきています。

上記でも簡単に語りましたが、それぞれの課題に対して最適解を見つけ、モデル化して横展開できないか。そんな可能性を探っています。

これまでさまざまなプロジェクトに携わってきましたが、それは視点を変えると「会社や上司が用意してくれた土俵のなかでの仕事」という見方もできると思っています。

しかし今は、自治体や企業の課題感を深く理解し、私たちができることを組み合わせながら、まったく新しいプロジェクトを一から作り上げていく立場にいます。

正直、取締役COOの森さんに鍛えていただきながら四苦八苦しながらの毎日です(笑)。でもそのぶんやりがいも大きいです。実際、現在進行中の提案のほとんどに手応えを感じていて、新しい価値を生み出せそうな予感がしています。


――今後の展望について教えていただけますか。

まずは目の前のプロジェクトに全力を注ぎたいと考えています。プレイヤーとしての経験を十分に積んだうえで、次のステージを考えていきたいですね。

その先の選択肢として、「社内起業」という道も作っていきたいという野望もあります。たとえば、防衛省に関連する新規事業を立ち上げるといったことも考えられます。

ホープ社には「社内から新しい価値を生み出していく」という文化があるので、そういったチャレンジも可能だと感じています。

自分の名前で仕事ができるようになると、自信や可能性が生まれてくる

――YOUTURNの印象はいかがでしたか?

特に印象的だったのは、私が出した言葉を咀嚼して、私が言語化できていなかった領域まで入ってきてくれて、適切な言葉で返してくれた点です。漫画でしか聞いたことないですが「言い得て妙」とはまさにこの事か。と思わせてくださいました。

全くの他人のはずなのに、高尾さんの口から出てくる言葉は、自分が生きてきた世界や価値観を説明できている。そんな経験は、他のエージェントではなかなか得られませんでした。

多くのエージェントは「この求人はどうですか」「あの求人は検討されましたか」と、企業が出している人材要件に合うかを前提に、少しでも重なっていたら紹介する。といった、「案件を紹介すること」に終始していて、数字を追っているだけのような印象を受けました。

でもYOUTURNは違いました。

実は今でも、福岡に戻りたいけど踏み出せないという友人がいれば、YOUTURNを紹介しています。単なる転職支援ではなく、その人の価値観に寄り添って可能性を一緒に探ってくれる。そうしたパートナーとして本当に信頼できると感じています。


――最後に、福岡への移住を考えている方へメッセージをお願いします。

僕もそういう時期があったので、すごくイメージできるのですが、多くの人は「東京を離れて大丈夫か」「同期にどう思われるか」などといった相対的な評価が、気にしたくなくても、気になっちゃうと思います。

でも、一度フリーランスや副業で自分の力を試してみると、「意外とひとりでも生きていけるじゃん。人生って何とかなるものなのか。」という確信が持てるようになりました。

言葉を変えると、自分が勝手に作っていた「しがらみ」から解放された感覚があります。

なので、まずは副業から始めてみるのもよいかもしれません。自分の会社以外で、自分の名前で仕事をしてみる。そうすることで、新しい可能性や自信が見えてくると思います。

私の場合は、リモートワークという選択肢があったことで移住への不安は少なかったです。でも、実際に移住してみてわかったのは、オフラインでの仲間との関係性の大切さです。

様々な人がいるので、皆一様には思っていないという前提はありますが「一緒に何かを達成する喜び」は、やはり対面でなければ得られない部分があると思っています。

福岡には、新しい可能性と充実感のある仕事の場があります。ぜひ、一歩を踏み出してみてください。
<編集後記>
福岡という地で、新たなキャリアステージを歩み始めた堀田さん。その選択の背景には、家族との時間を大切にしたいという想いと、自身の理想とするキャリアを追求する強い意志がありました。

堀田さんのストーリーは、キャリアの選択に悩む多くの方にとって、大きな示唆を与えてくれます。特に印象的だったのは、「仲間と一緒に成長する」という価値観を大切にしながら、自身のビジョンに向かって着実に歩みを進めている姿勢です。

私たちYOUTURNの役割は、単に求人を紹介することではありません。その方の持つ価値観や目指すべき方向性を丁寧に理解し、新しいキャリアの可能性を共に探ることです。堀田さんのように、自身の強みを活かしながら、新しいフィールドで活躍できる方々を、今後も支援していきたいと考えています。

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著者 YOUTURN編集部
YOUTURNは、累計100名以上のハイクラス・エクゼクティブ、大都市の最前線で活躍されたビジネスパーソンの九州・福岡への移住転職を支援するエージェントです。地域特化、UIターン転職ならではフル・オーダーメイド転職支援を通じて、今世の中の求人票にはない、あなただけの求人ポジションをつくります。

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