毎日オフィスにいたくなる文化と制度

ー メンバーの皆さん、良いモチベーションで働かれているんですね。ただ、この海を眺めていると仕事したくなくなりませんか?(笑)

いやいや、それよく言われるんですけど、結構仕事しますよ(笑)。この環境だとリフレッシュがしやすいんです。疲れて顔をあげたら海が目の前に見えますからね。あと、「お酒飲みたくならない?」って聞かれることも多いんですが、仕事中は1本までお酒を飲んで良いことにしてます。特に夏は最高ですね。

ー 最高ですね。仕事中、海辺でビールですか。「ビール1本ルール」っていうのがあるんですか?

僕が勝手に決めただけです(笑)。1本までなら大丈夫だろうと思って。ヨーロッパの人とかランチでワイン飲んでますし、日本だけダメなのもよく分からないですよね。僕はもともとデザインや音楽をやってたんですが、1本飲んでテンションが上がるとやけにいいものができたりするんですよ。

ただ、人によりけりなので各自の判断で…(笑)。飲むことでポジティブな効果があるのであれば、良いんじゃないかなと思います。

ー ウミーベ食堂やビール1本ルールなど、ユニークな文化を魅力に感じる人は多いでしょうね。他にも面白い文化はありますか?

将来的には色々とつくっていきたいですね。今考えているのは、船舶免許の取得費用や釣具の購入費用の支援とかですかね。

面白法人カヤックが「サイコロ給」という制度を設けていますよね。月に1回給料日にサイコロを振って、出目の数に応じて基本給に上乗せする金額が変動するという制度です。あれにならって「釣果給」みたいな制度は面白いかなと思っています。釣果がいいと給料が上がるみたいな(笑)。

ー それは面白いアイディアですね(笑)。こういう環境や面白い制度があると、毎日オフィスに出社したくなりますよね。世間一般では「足を運びたくなるオフィス」って少ないでしょうし。

それがそもそも良くないですよね。僕は土日も仕事がなくてもオフィスに行きますし。

「釣りを、やさしく。」が意思決定の軸

ー こういう環境でやっていると良い意思決定ができそうですね。

そうですね。でも意思決定のほとんどは「釣りを、やさしく。」というコーポレートビジョンに従ってやっています。これを定めたあたりから、「それは釣り人にとってやさしいものなのか」、「これをつくることによって釣り自体がやさしくなるのか」という明確な判断基準が生まれて楽になりました。自分の感情と関係ないので変な悩み方をしなくて済むんですよね。

日々の判断もそうですが、僕はなるべく淡々と仕事をしていきたいなと考えていて。自分の、そして組織に適したペースを作るのが大事だと思っています。例えばマラソンで「42.195キロを3時間で走れ」って言われたら一般人には大変ですけど、時間制限なしで歩くだけならほとんどの人には難しくない距離です。

もちろん、スピードを上げないと勝てない勝負もあるので、思いつく限り最速なアプローチで取り組むことが前提です。ランニングで「このペースであれば距離が伸びても大丈夫」のような、そのギリギリのペースを狙っていくと言うか。事業はいつまでも続きますからね。

ー 継続することは経営で何よりも大事ですよね。そういう仕事や経営のスタンスは、ワタベさんのどういうバックグランドが影響しているんでしょうか?

もともとミュージシャンなので、働くこと自体あまり好きじゃないんですよ(笑)。そんな自分がモチベーションが保てる環境や、事業内容を求めていったらこうなったというのが正直なところです。事業をやっていていろんな指標が伸びるのはもちろん嬉しいですが、「稼ぎたい」というよりも「世の中に対して良い影響を与えたい」っていう思いが大きいですね。多くの釣り人の体験がより良く変わったり、ウミーベのサービスをきっかけに釣りを始めた人の人生が豊かになったら、こんなに嬉しいことはありません。

ー 素敵な環境で毎日楽しみながら仕事をした結果、世の中がより良くなっていったら益々仕事が楽しくなっていきますね。

移住者視点の発想で新しい価値をつくろう

ー 最後に、U・Iターン希望者向けにメッセージを頂けますか?

まず重ねてになりますが、福岡の住環境は本当に良いです。福岡の人たちは移住者に対して排他的なところもないですし、移住して失敗したという話もほとんど聞かないほどです。

その上で文化に馴染めるか不安な方もいると思いますが、せっかく外から来るわけなので、むしろ空気は読まなくていいんじゃないかと思います。例えばウミーベのオフィスがある今宿駅周辺なんて、オフィスを置くようなエリアじゃなかったんです。でも、「天神からこれだけしか離れてなくて、近くにキレイな海があって最高じゃん」っていう東京から来た人間の感覚で、こういうオフィスが生まれました。どうしたって地元の人とは違う物差しを持っていると思うので、それを売りにできたらいいですよね。

ー 僕は高校まで福岡市で過ごしたんですけど、地元の人間としての今宿のイメージはすごく田舎なんですよね。この辺りでITベンチャーをやるという発想は、ずっと地元に住んでいたら出てこないです。

地元の人から見ると、姪浜駅から西は全部田舎らしいですね(笑)。でも、ウミーベのオフィスを一度でも見れば、「ああ、こういう環境もいいな」って思ってくれますよ。

ー 実際、このオフィスで働きたいと思うUIターン希望者はきっと多いでしょうね。では、どんな職種が福岡のスタートアップでは求められていますか?

東京で経験を積んだウェブ系の職種全般は、重宝されると思いますよ。マーケッターは本当に少ないですし、広報・PRはほとんどいません。エンジニアやデザイナーは優秀な人は優秀ですが、母数が少ないですね。また、メディアとかアプリなど自社サービスを運営してきた経験がある人材が少ないので、その需要もありそうです。弊社にもぜひ(笑)。

ー 確かに、そういった職種は福岡では希少ですし、活躍できそうなイメージがありますね。ぜひウミーベや福岡のスタートアップをチャレンジの場所に選んで欲しいと思います。本日は有難うございました!

「海はタダ!地方アセットを活かす経営戦略」(1/3)

「釣り業界の課題とビジネスチャンス」(2/3)

会社情報

所在地福岡市西区今宿駅前 1-15-18 マリブ今宿シーサイドテラス5階
設立年月2014年8月
従業員数12名
関連業界メディア/レジャー
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