【イベントレポート】異業種・異職種からのキャリアチェンジ|YOUTURN移住転職者リアルトーク【後編】
移住転職フェア・イベント
09/06/2024 更新
大好評、毎月開催中のYOUTURNコミュニティメンバーをお招きしてのオンラインイベント。今回のテーマは異業種・異職種からのキャリアチェンジです。
福岡への移住転職を果たし、異業種・異職種へのキャリアチェンジを経験された方々をゲストに迎え、リアルなお話を伺いました。
【後編】では、「移住転職後に、仕事や環境に慣れることは大変だったのか」「今後のキャリア」「東京に戻る可能性」について、お話をお聞きしています。
前編はこちら:【イベントレポート】異業種・異職種からのキャリアチェンジ |YOUTURN移住転職者リアルトーク 第5弾【前編】 ゲスト:
大木 健人さん(株式会社デジタルガレージ マネージャー)
ホール 茉利香さん(福岡地所株式会社)
峯野 弘樹さん(株式会社八女流 代表取締役)
ファシリテーター:
高尾 大輔(株式会社YOUTURN 代表取締役) ▼【無料・登録所要時間3分】YOUTURN会員登録はこちらから!
次の質問は、『今の会社の仕事や環境に慣れるのは大変でしたか』です。
会社が変わるだけじゃなく、業界や職種も変わるとなると、いろんな力学も変わってきますよね。あとは、それを『どうやってキャッチアップしてきたんでしょうか』についても伺いたいです。
ホールさんからいいですか。
ホール 💎
うーん、もう忘れちゃったことも多いんですが。笑
学生の頃から、「行ったことない国に3年間行くぞ」って決めて動いて、それで何とかなってきているので、多分勢いで来ちゃった面もあります。笑
そういう意味では、変化に適応するのは慣れてるほうだと思います。福岡といっても言語は一緒だし(若干訛ってるけど)。飲みのときに三軒ハシゴは当たり前、みたいなギャップはありますけど。笑
でも仕事はそんなに。
こんなもんかなと思いながらやってきましたね。
高尾 🌳
コンサルの仕事の進め方と、事業会社とで、不慣れな点や違いを感じたりしましたか。
ホール 💎
コンサルのときに、「ここまで合意形成してきた内容がなんでこのタイミングでひっくり返るの?」と思うことがあったりしたんですが、そうなる背景を身をもって知れた感じです。
事業会社内の調整とか根回しとか、稟議とは?決裁権限とは?みたいなこと、大きい会社に新卒から入られる方からすると、当たり前の文化というのが、私にとっては初めましてで。そのあたりは「おおっ......」って感じでした。ルールが多くて大変だな……って思いました。
高尾 🌳
コンサルのときに、コンサルタントとしてクライアントに振り回されてたと感じていたのを、今は振り回す側でコンサルが振り回される理由がわかったと。
ホール 💎
実際に事業会社に入ってみて、すごく合点がいくこともありました。
組織内部の人間関係とか、こうやって大きな組織では意思決定がなされていくんだ、と答え合わせができたことは良かったです。
事業会社特有の合意形成の仕方はあって、正直驚くこともあります。
でもだからこそコンサルのときに身につけた合意形成の進め方とか、会議の進め方とか、ちゃんとネクストアクション決めるとかは、逆に今の会社に持ち込んで発揮できてるのかなと思います。
高尾 🌳
事業会社に行って、コンサルでやってたことが活かせる場面も多かったんですね。
大木さん、デジタルガレージでのお仕事でキャッチアップが大変だったこととかありますか?
大木 🌞
当時、高尾さんからデジタルガレージに転職するときに言われたことで「メタスキルとして大木さんの持ってるスキルを認識した方がいい」というのがありました。企画してエグゼキューションするみたいなところまで構造分解すると、不動産とITで業界は違えども発揮する能力は一緒ですよね、って。
高尾 🌳
僕めっちゃいいこと言ってますね。笑
大木 🌞
めっちゃいいこと言ってました。笑
僕は素直な性格なので、「なるほど、そうか」と思って。
デジタルガレージの面接では、「スマートシティ」とか、「スタートアップをインキュベート」とか、「アジャイル」とか。カタカナばかりで「いっちょんわからん!」と思ったんですよ。
だから、「僕、正直今の話の半分もわかってないと思うんですが、やれますか」って逆に聞いてみたんです。そしたら面接官から「やれるやれる」って言われて。「そっか、やれるのか」ってまた素直に受け取ってました。
やってみると、やはり実際にやれたんですね。
ITの知見とかは当然持ち合わせてないものが多かったので調べて覚えたりはしましたけど、メタでは企画~エグゼキューションに関わるスキルを使ってたので特に戸惑うこともなかったです。
ただデジタルガレージでは新米ですし、福岡に行って事業をするというのはデジタルガレージ内でも初めてのことだったので、働く側も雇う側もお互いによくわかんない状態でした。だからこそとにかく即レス!。知らないなら知らない、わかるならわかるって即レスすることは心がけてました。
そうしている間に知識も追いついてきて、自分がデジタルガレージに貢献できる領域というのが徐々に見えはじめ、気づけば「一人親方」みたいになってました。
戦略を設計して実行して成果を出す。
僕はシンプルにそういったことが好きで得意なんだなと気づきました。
冒頭の話でも、「飽きた」と言いましたが、僕は自分がやりたいことじゃないと全然やれない性格なんです。やりたいことだと人一倍やれるんですけど。その性分を転職して再認識できたし、ここは変えられないので、極力僕はやりたいことをやれる環境を自分で作り上げていこうと思って、頑張ってやってます。
高尾 🌳
大木さんは、「ここではやりたいことがやれない」じゃなく、「やりたいことがあるんだったらやれる環境をその中で作る」ということを、ずっとやってこられてましたもんね。
峯野さんはどうですか。
峯野 🚀
2社目のAGRISTで一番大変だったのは、カルチャーが全く違うところでした。創業2年目の会社だったので、「こんなにも整っていない会社があるんだ」と感じました。その環境で「ルールってこうやってできていくんだ」ということを経験できました。
意思決定のスピード感もまったく違いましたね。それに慣れるのに苦労しました。
環境にアジャストしていくというのが、はじめはすごく大変だったと記憶しています。
現職は経営者なので、むしろ2社目を経験してわかった自分の強みや特徴を活かして価値をだそうとしています。キャッチアップというよりも、自分の価値をどう出していくかを意識しながら今仕事しています。それは2社目での経験があったからこその心境の変化ですね。
高尾 🌳
お三方とも、「どこででも通用する自分の強み」を、キャリアチェンジを通じて見出せているという共通点がありそうですね。
自分の強みはここだと客観的にも主観的にも理解した上で、またそこから先のキャリアを選ぶことにも繋がるんじゃないでしょうか。
最後にこれをどうしても聞きたかったんです。
『今後のキャリアを皆さんどう考えてますか』。
転職活動時に考えてた今後のキャリアのイメージと、キャリアチェンジを経験して今見えてる景色から考える今後のキャリアイメージというのは、おそらく違うところがあるんじゃないでしょうか。
誰からいきますか。我こそは的な感じで。
大木 🌞
じゃあ僕からお話します。笑
高尾 🌳
では大木さん、お願いします。
大木 🌞
デジタルガレージに入って半年ぐらいはオンボーディング期間で渋谷から福岡に出張で来てたんですけど、本格的に福岡に移るときに言われて心に残ってるのが、「起業するつもりで行ってくれ」という言葉でした。それを聞いて僕は「いいね、それ!」と思えて、その言葉のとおり起業するつもりで福岡に移って来ました。羽田空港から白紙のA4ペーパー持って、これに何を描いていこうかな、というイメージです。
実際いろいろ事業構想などを描いてみて本当に起業するつもりでやってたんですが、起業家の人たちと触れ合う中で、「起業するつもり」と「実際に起業する」は雲泥の差があるなと思います。僕はそのどっちをやりたいんだろう?と考えるようになったんです。
結果、シンプルにいうと「起業したい」と思うに至りました。それは戦略とか、さっき申し上げたようなことが僕は好きだし、やれそうだということがキャリアチェンジを通じてわかったからです。
では自分自身が起業するとして「何をキャンパスに描くか」なんですが、描こうとしているテーマが、今の会社で実現できる部分と今の会社では実現できない部分などしっかりと考えながら、どういう塩梅で進めばいいのかを今試行錯誤してる感じです。
会社に籍を置き続けて、自分の会社を起すという方法もありそうですが、間近で見る起業家はスタートアップで命がけでやってるので、バランスを取りながら始めるのか、一本に絞った方が良いのか、そのときの資本政策はどうしたらよさそうか、などなど模索中ですね。
高尾 🌳
起業するつもりでやるのと、実際起業するのは全然違うと。
ちなみに野村不動産を退職するとき、その先に起業という意識はありましたか。
大木 🌞
なくはなかったです。父親がグラフィックデザイナーとして起業していたこともあり、元より自分のなかの意識にはあったと思うんですが、福岡に来て起業家に触れる機会が爆発的に増えたので、それによって感化されたのが一番大きいかなと思います。
高尾 🌳
漠然と起業もあるかもなと思ってたところから、起業というものがすごく身近で現実的に感じられるようになってきたんですね。
大木 🌞
そうですそうです。起業できるんだ。手引きは手に入れた、みたいな感じです。
高尾 🌳
面白いですね。これからのキャリアも面白そうなので引き続き観察させてください。
大木 🌞
見てないで手伝ってください。笑
高尾 🌳
笑 ありがとうございます。
ホールさんどうですか、今後のキャリアについて。
ホール 💎
事業会社への転職時は、不動産業界の知識をキャッチアップして、更に積み上げていって、上に上に上がっていくものと意気込んでいたのですが、いざ自分がやろうと行動すれば一定レベルキャッチアップできそうだという実感が得られたところもあり、「事業会社で働くビジネスパーソン」を軸に考えていたキャリア感が、最近は「それもなんか違うかもな」と思い始めているかもしれません。
高尾 🌳
本当にそれをしたいんだろうかと。
ホール 💎
そうですね。プロフェッショナルって一定の業界知識とかベースとなる知識はあるにこしたことはないと思っているのでそれは引き続き追求はしていきたいんですが、もしプロジェクトを推進していくことや、何かを形にしていくということが自身の強みだと仮説立てたときに、今一つの業界に決め込むよりも、もっといろんなことに挑戦できるのではないかとも思い始めてます。
高尾 🌳
その先を考えるようになったんですね。
峯野さんはどうでしょうか?
峯野 🚀
以前、「次のキャリアどうしたらいいんですかね」って高尾さんに相談したら「いや、峯野さんキャリアとか考えてないでしょ」って言われたことがあるんです。高尾さんのその言葉がめちゃくちゃ刺さりまして。
高尾 🌳
確かに言いましたね。笑
峯野 🚀
「キャリアってなんなんだろう」と、自分の中で考え直すきっかけになったんです。それまではどうスキルを上げて給料を上げていくかをメインで考えてたんですけど。
「キャリアってのも、そもそも生き方だよな」とそのときすごく思ったんです。
「あなたはどう生きたいんですか?」と言われてるようなもんだなと。
そう考えたときに、今経営している八女流の親会社が鎌倉に本社のある面白法人カヤックという上場企業なんですが、「面白い」を軸にしながら上場までいってる会社なんです。
僕はこの会社と一緒に働きたかったのもあったんですね。かたや「面白い」、かたや「上場」って、僕としては相反するものだと認識してたので、大事にするものを追求しながらしっかりマネタイズしてどうやって上場までたどり着いたのかとても興味がありました。グループに入ってみてカヤックの経営陣や幹部陣と話をしていくと、やはり「軸」があったんです。企業理念とかも当然ありますが、カヤックが大事にしてるキーワードが、「誰と働くか」なんですね。
代表というポジションではあるけど、本当にただの役割だなと思っています。何を成し遂げたいかというよりも、「誰と」というのが優先順位の一番で「誰と、何をしていくか」が、僕の次のキャリアの軸になってくると思います。
高尾 🌳
人が起点で自分のキャリアというのはできていくんだという感覚なんですね。
ありがとうございます。
お三方ともそれぞれに、見えてる景色がどんどん変わってきてるように感じます。
最後と言いましたがもう1個だけ質問させてください。
今後のキャリア、今後の人生を考えたときに、『東京に戻る可能性があるか』。それとも「いや、全然今後も福岡・九州」という感覚か。どんな感覚をお持ちでしょうか。
移住を検討されてる方はおそらく、「福岡に行っちゃって大丈夫なんだろうか」「戻って来れないんじゃないか」「やっぱり東京の方が合うんじゃないか」みたいに、まだ踏み出していないからこその不安もあるのではないかと。
そこで実際に福岡に移ってこられたお三方から、正直なところをぜひお聞きしたいです。
峯野 🚀
僕は新しい環境に飛び込むのがとにかく好きなので、正直、場所はどこでもいいっていう感覚です。
ただ、生活する環境は大事にしてます。自然の中で生活するのが好きなので、きっとこれからもそこは大事にしていくと思いますし、どこでも仕事は作れるという根拠のない自信もあります。今いるところは八女の山の中ですけど、ちゃんとビジネスはできると思いますしね。
高尾 🌳
この間行きましたが本当に山の中ですよね。都会的なものがなにもなくてびっくりしましたが、自然も豊かで蛍も飛んでて素敵でした。
峯野 🚀
そんな山の中からだって仕事を取りに行こうと思えば取りに行けると思いますし、今はオンラインでなんでも繋がれることを考えると、地方でももはやビハインドはないんじゃないかと個人的には思っています。どこまで自分で取りに行くかという話なだけなのかなと。
高尾 🌳
仕事は与えられるだけじゃなく、自分で作りにいけるという感覚を掴んだら強いですよね。
ホールさんはどうですか。
ホール 💎
転職活動して、お給料を含めて一般的に気にされる条件で判断しようと思うと、選択肢は福岡のほうが少ないというのはもちろんあると思います。でもなんというか、私はそのゲームからもう卒業したという感覚があって。
いわゆる東京のいい会社、有名な会社で働いて、そこで成果出して給与上げていって、というのとは違う働き方、生き方を歩みたいというか。
「自分のミッション」を追求していく感覚。そこはもし私が転職するとしても変わらないし、変えずにやれるかなと思ってます。福岡で次のキャリアと考えると不安な気持ちはあるかもしれませんが、福岡をベースに九州の他の地域とか、いろんな可能性は絶対にあるので、そこはどの視点で見るか次第だと思ってます。
高尾 🌳
特に固執したりこの土地に執着してるわけではなくて、取りに行きたいチャンスが海外にあれば海外に行く。そういう感覚ですか。
ホール 💎
そうですね。ただ私は一番最初に「どこに住んでどういう人生を送っていきたいか」というところで福岡を選んでいるわけですから、もし転職を考えるとしてもその前提の中で何が一番ベストかというふうに考えるかなと思います。
高尾 🌳
確かにキャリアというと仕事をイメージしますが、ここで生活したいとか、ここで家族と暮らしたいというのも大事ですよね。
ホール 💎
私の学生時代の話ではありますが、大学って世界に星の数ほどあるじゃないですか。私は海外にもいたので、進学も日本国内だけではなくて英語圏ならある意味世界中どこでも行ける状態だったんです。
そんな時高校の先生から、「住みたい場所をまず決めろ」って言われたんです。それでいろいろ考えた結果オーストラリアに住みたい!となって、その次にオーストラリアのどの大学にしようか、というふうに選んでいったんです。
私は福岡に移住したときも同じ感覚でしたね。まずは「自分がどこをベースにしたいか」というところから決めて、そこから仕事という順に考えれば、自然とその中で自分にとってのベストが選べる。ベストなものって多分唯一ではないのでその選択肢の中で自分にとっていいものを選んでいくということはできるかなと思っています。
高尾 🌳
ありがとうございます。
大木さんはどうですか。
大木 🌞
福岡を気に入ってるので福岡ベースでやりたいなとは思うんですが、東京か福岡かみたいなところでいうと、そのどちらかではないですね。
というのも、さっき峯野さんがおっしゃってたように、僕もキャリアという単語に生きざまみたいな意味合いを感じていて。僕は「好きなように生きていく」と決めてるんです。福岡も、東京も、海外も季節によって転々としたり、そういう生き方も全然あるなと思ってます。
高尾 🌳
一つを選ぶとかじゃないんですね。
「or」じゃなく「and」なんですね。
大木 🌞
そうですね。そういう自由が効くような仕事を選んだり、作ったりしていくのだろうなと思ってます。
高尾 🌳
なるほど、お三方今日は長時間にわたってありがとうございます。
移住転職で開眼した「プロデュース力」。福岡だからできる100倍チャレンジ
特に、異業種・異職種からのキャリアチェンジというテーマは、多くの方々にとって興味深いものであり、今回のトークが少しでも皆さんの参考になれば幸いです。今後もYOUTURNは、皆さんの移住転職を全力でサポートしてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。累計の移住転職実績100名以上!
福岡への移住転職を果たし、異業種・異職種へのキャリアチェンジを経験された方々をゲストに迎え、リアルなお話を伺いました。
【後編】では、「移住転職後に、仕事や環境に慣れることは大変だったのか」「今後のキャリア」「東京に戻る可能性」について、お話をお聞きしています。
前編はこちら:【イベントレポート】異業種・異職種からのキャリアチェンジ |YOUTURN移住転職者リアルトーク 第5弾【前編】 ゲスト:
大木 健人さん(株式会社デジタルガレージ マネージャー)
ホール 茉利香さん(福岡地所株式会社)
峯野 弘樹さん(株式会社八女流 代表取締役)
ファシリテーター:
高尾 大輔(株式会社YOUTURN 代表取締役) ▼【無料・登録所要時間3分】YOUTURN会員登録はこちらから!
移住転職後に、会社の仕事や環境に慣れることは大変だったのか
高尾 🌳次の質問は、『今の会社の仕事や環境に慣れるのは大変でしたか』です。
会社が変わるだけじゃなく、業界や職種も変わるとなると、いろんな力学も変わってきますよね。あとは、それを『どうやってキャッチアップしてきたんでしょうか』についても伺いたいです。
ホールさんからいいですか。
ホール 💎
うーん、もう忘れちゃったことも多いんですが。笑
学生の頃から、「行ったことない国に3年間行くぞ」って決めて動いて、それで何とかなってきているので、多分勢いで来ちゃった面もあります。笑
そういう意味では、変化に適応するのは慣れてるほうだと思います。福岡といっても言語は一緒だし(若干訛ってるけど)。飲みのときに三軒ハシゴは当たり前、みたいなギャップはありますけど。笑
でも仕事はそんなに。
こんなもんかなと思いながらやってきましたね。
高尾 🌳
コンサルの仕事の進め方と、事業会社とで、不慣れな点や違いを感じたりしましたか。
ホール 💎
コンサルのときに、「ここまで合意形成してきた内容がなんでこのタイミングでひっくり返るの?」と思うことがあったりしたんですが、そうなる背景を身をもって知れた感じです。
事業会社内の調整とか根回しとか、稟議とは?決裁権限とは?みたいなこと、大きい会社に新卒から入られる方からすると、当たり前の文化というのが、私にとっては初めましてで。そのあたりは「おおっ......」って感じでした。ルールが多くて大変だな……って思いました。
高尾 🌳
コンサルのときに、コンサルタントとしてクライアントに振り回されてたと感じていたのを、今は振り回す側でコンサルが振り回される理由がわかったと。
ホール 💎
実際に事業会社に入ってみて、すごく合点がいくこともありました。
組織内部の人間関係とか、こうやって大きな組織では意思決定がなされていくんだ、と答え合わせができたことは良かったです。
事業会社特有の合意形成の仕方はあって、正直驚くこともあります。
でもだからこそコンサルのときに身につけた合意形成の進め方とか、会議の進め方とか、ちゃんとネクストアクション決めるとかは、逆に今の会社に持ち込んで発揮できてるのかなと思います。
高尾 🌳
事業会社に行って、コンサルでやってたことが活かせる場面も多かったんですね。
大木さん、デジタルガレージでのお仕事でキャッチアップが大変だったこととかありますか?
大木 🌞
当時、高尾さんからデジタルガレージに転職するときに言われたことで「メタスキルとして大木さんの持ってるスキルを認識した方がいい」というのがありました。企画してエグゼキューションするみたいなところまで構造分解すると、不動産とITで業界は違えども発揮する能力は一緒ですよね、って。
高尾 🌳
僕めっちゃいいこと言ってますね。笑
大木 🌞
めっちゃいいこと言ってました。笑
僕は素直な性格なので、「なるほど、そうか」と思って。
デジタルガレージの面接では、「スマートシティ」とか、「スタートアップをインキュベート」とか、「アジャイル」とか。カタカナばかりで「いっちょんわからん!」と思ったんですよ。
だから、「僕、正直今の話の半分もわかってないと思うんですが、やれますか」って逆に聞いてみたんです。そしたら面接官から「やれるやれる」って言われて。「そっか、やれるのか」ってまた素直に受け取ってました。
やってみると、やはり実際にやれたんですね。
ITの知見とかは当然持ち合わせてないものが多かったので調べて覚えたりはしましたけど、メタでは企画~エグゼキューションに関わるスキルを使ってたので特に戸惑うこともなかったです。
ただデジタルガレージでは新米ですし、福岡に行って事業をするというのはデジタルガレージ内でも初めてのことだったので、働く側も雇う側もお互いによくわかんない状態でした。だからこそとにかく即レス!。知らないなら知らない、わかるならわかるって即レスすることは心がけてました。
そうしている間に知識も追いついてきて、自分がデジタルガレージに貢献できる領域というのが徐々に見えはじめ、気づけば「一人親方」みたいになってました。
戦略を設計して実行して成果を出す。
僕はシンプルにそういったことが好きで得意なんだなと気づきました。
冒頭の話でも、「飽きた」と言いましたが、僕は自分がやりたいことじゃないと全然やれない性格なんです。やりたいことだと人一倍やれるんですけど。その性分を転職して再認識できたし、ここは変えられないので、極力僕はやりたいことをやれる環境を自分で作り上げていこうと思って、頑張ってやってます。
高尾 🌳
大木さんは、「ここではやりたいことがやれない」じゃなく、「やりたいことがあるんだったらやれる環境をその中で作る」ということを、ずっとやってこられてましたもんね。
峯野さんはどうですか。
峯野 🚀
2社目のAGRISTで一番大変だったのは、カルチャーが全く違うところでした。創業2年目の会社だったので、「こんなにも整っていない会社があるんだ」と感じました。その環境で「ルールってこうやってできていくんだ」ということを経験できました。
意思決定のスピード感もまったく違いましたね。それに慣れるのに苦労しました。
環境にアジャストしていくというのが、はじめはすごく大変だったと記憶しています。
現職は経営者なので、むしろ2社目を経験してわかった自分の強みや特徴を活かして価値をだそうとしています。キャッチアップというよりも、自分の価値をどう出していくかを意識しながら今仕事しています。それは2社目での経験があったからこその心境の変化ですね。
高尾 🌳
お三方とも、「どこででも通用する自分の強み」を、キャリアチェンジを通じて見出せているという共通点がありそうですね。
自分の強みはここだと客観的にも主観的にも理解した上で、またそこから先のキャリアを選ぶことにも繋がるんじゃないでしょうか。
今後のキャリアについて
高尾 🌳最後にこれをどうしても聞きたかったんです。
『今後のキャリアを皆さんどう考えてますか』。
転職活動時に考えてた今後のキャリアのイメージと、キャリアチェンジを経験して今見えてる景色から考える今後のキャリアイメージというのは、おそらく違うところがあるんじゃないでしょうか。
誰からいきますか。我こそは的な感じで。
大木 🌞
じゃあ僕からお話します。笑
高尾 🌳
では大木さん、お願いします。
大木 🌞
デジタルガレージに入って半年ぐらいはオンボーディング期間で渋谷から福岡に出張で来てたんですけど、本格的に福岡に移るときに言われて心に残ってるのが、「起業するつもりで行ってくれ」という言葉でした。それを聞いて僕は「いいね、それ!」と思えて、その言葉のとおり起業するつもりで福岡に移って来ました。羽田空港から白紙のA4ペーパー持って、これに何を描いていこうかな、というイメージです。
実際いろいろ事業構想などを描いてみて本当に起業するつもりでやってたんですが、起業家の人たちと触れ合う中で、「起業するつもり」と「実際に起業する」は雲泥の差があるなと思います。僕はそのどっちをやりたいんだろう?と考えるようになったんです。
結果、シンプルにいうと「起業したい」と思うに至りました。それは戦略とか、さっき申し上げたようなことが僕は好きだし、やれそうだということがキャリアチェンジを通じてわかったからです。
では自分自身が起業するとして「何をキャンパスに描くか」なんですが、描こうとしているテーマが、今の会社で実現できる部分と今の会社では実現できない部分などしっかりと考えながら、どういう塩梅で進めばいいのかを今試行錯誤してる感じです。
会社に籍を置き続けて、自分の会社を起すという方法もありそうですが、間近で見る起業家はスタートアップで命がけでやってるので、バランスを取りながら始めるのか、一本に絞った方が良いのか、そのときの資本政策はどうしたらよさそうか、などなど模索中ですね。
高尾 🌳
起業するつもりでやるのと、実際起業するのは全然違うと。
ちなみに野村不動産を退職するとき、その先に起業という意識はありましたか。
大木 🌞
なくはなかったです。父親がグラフィックデザイナーとして起業していたこともあり、元より自分のなかの意識にはあったと思うんですが、福岡に来て起業家に触れる機会が爆発的に増えたので、それによって感化されたのが一番大きいかなと思います。
高尾 🌳
漠然と起業もあるかもなと思ってたところから、起業というものがすごく身近で現実的に感じられるようになってきたんですね。
大木 🌞
そうですそうです。起業できるんだ。手引きは手に入れた、みたいな感じです。
高尾 🌳
面白いですね。これからのキャリアも面白そうなので引き続き観察させてください。
大木 🌞
見てないで手伝ってください。笑
高尾 🌳
笑 ありがとうございます。
ホールさんどうですか、今後のキャリアについて。
ホール 💎
事業会社への転職時は、不動産業界の知識をキャッチアップして、更に積み上げていって、上に上に上がっていくものと意気込んでいたのですが、いざ自分がやろうと行動すれば一定レベルキャッチアップできそうだという実感が得られたところもあり、「事業会社で働くビジネスパーソン」を軸に考えていたキャリア感が、最近は「それもなんか違うかもな」と思い始めているかもしれません。
高尾 🌳
本当にそれをしたいんだろうかと。
ホール 💎
そうですね。プロフェッショナルって一定の業界知識とかベースとなる知識はあるにこしたことはないと思っているのでそれは引き続き追求はしていきたいんですが、もしプロジェクトを推進していくことや、何かを形にしていくということが自身の強みだと仮説立てたときに、今一つの業界に決め込むよりも、もっといろんなことに挑戦できるのではないかとも思い始めてます。
高尾 🌳
その先を考えるようになったんですね。
峯野さんはどうでしょうか?
峯野 🚀
以前、「次のキャリアどうしたらいいんですかね」って高尾さんに相談したら「いや、峯野さんキャリアとか考えてないでしょ」って言われたことがあるんです。高尾さんのその言葉がめちゃくちゃ刺さりまして。
高尾 🌳
確かに言いましたね。笑
峯野 🚀
「キャリアってなんなんだろう」と、自分の中で考え直すきっかけになったんです。それまではどうスキルを上げて給料を上げていくかをメインで考えてたんですけど。
「キャリアってのも、そもそも生き方だよな」とそのときすごく思ったんです。
「あなたはどう生きたいんですか?」と言われてるようなもんだなと。
そう考えたときに、今経営している八女流の親会社が鎌倉に本社のある面白法人カヤックという上場企業なんですが、「面白い」を軸にしながら上場までいってる会社なんです。
僕はこの会社と一緒に働きたかったのもあったんですね。かたや「面白い」、かたや「上場」って、僕としては相反するものだと認識してたので、大事にするものを追求しながらしっかりマネタイズしてどうやって上場までたどり着いたのかとても興味がありました。グループに入ってみてカヤックの経営陣や幹部陣と話をしていくと、やはり「軸」があったんです。企業理念とかも当然ありますが、カヤックが大事にしてるキーワードが、「誰と働くか」なんですね。
代表というポジションではあるけど、本当にただの役割だなと思っています。何を成し遂げたいかというよりも、「誰と」というのが優先順位の一番で「誰と、何をしていくか」が、僕の次のキャリアの軸になってくると思います。
高尾 🌳
人が起点で自分のキャリアというのはできていくんだという感覚なんですね。
ありがとうございます。
お三方ともそれぞれに、見えてる景色がどんどん変わってきてるように感じます。
最後と言いましたがもう1個だけ質問させてください。
東京に戻る可能性があるか
高尾 🌳今後のキャリア、今後の人生を考えたときに、『東京に戻る可能性があるか』。それとも「いや、全然今後も福岡・九州」という感覚か。どんな感覚をお持ちでしょうか。
移住を検討されてる方はおそらく、「福岡に行っちゃって大丈夫なんだろうか」「戻って来れないんじゃないか」「やっぱり東京の方が合うんじゃないか」みたいに、まだ踏み出していないからこその不安もあるのではないかと。
そこで実際に福岡に移ってこられたお三方から、正直なところをぜひお聞きしたいです。
峯野 🚀
僕は新しい環境に飛び込むのがとにかく好きなので、正直、場所はどこでもいいっていう感覚です。
ただ、生活する環境は大事にしてます。自然の中で生活するのが好きなので、きっとこれからもそこは大事にしていくと思いますし、どこでも仕事は作れるという根拠のない自信もあります。今いるところは八女の山の中ですけど、ちゃんとビジネスはできると思いますしね。
高尾 🌳
この間行きましたが本当に山の中ですよね。都会的なものがなにもなくてびっくりしましたが、自然も豊かで蛍も飛んでて素敵でした。
峯野 🚀
そんな山の中からだって仕事を取りに行こうと思えば取りに行けると思いますし、今はオンラインでなんでも繋がれることを考えると、地方でももはやビハインドはないんじゃないかと個人的には思っています。どこまで自分で取りに行くかという話なだけなのかなと。
高尾 🌳
仕事は与えられるだけじゃなく、自分で作りにいけるという感覚を掴んだら強いですよね。
ホールさんはどうですか。
ホール 💎
転職活動して、お給料を含めて一般的に気にされる条件で判断しようと思うと、選択肢は福岡のほうが少ないというのはもちろんあると思います。でもなんというか、私はそのゲームからもう卒業したという感覚があって。
いわゆる東京のいい会社、有名な会社で働いて、そこで成果出して給与上げていって、というのとは違う働き方、生き方を歩みたいというか。
「自分のミッション」を追求していく感覚。そこはもし私が転職するとしても変わらないし、変えずにやれるかなと思ってます。福岡で次のキャリアと考えると不安な気持ちはあるかもしれませんが、福岡をベースに九州の他の地域とか、いろんな可能性は絶対にあるので、そこはどの視点で見るか次第だと思ってます。
高尾 🌳
特に固執したりこの土地に執着してるわけではなくて、取りに行きたいチャンスが海外にあれば海外に行く。そういう感覚ですか。
ホール 💎
そうですね。ただ私は一番最初に「どこに住んでどういう人生を送っていきたいか」というところで福岡を選んでいるわけですから、もし転職を考えるとしてもその前提の中で何が一番ベストかというふうに考えるかなと思います。
高尾 🌳
確かにキャリアというと仕事をイメージしますが、ここで生活したいとか、ここで家族と暮らしたいというのも大事ですよね。
ホール 💎
私の学生時代の話ではありますが、大学って世界に星の数ほどあるじゃないですか。私は海外にもいたので、進学も日本国内だけではなくて英語圏ならある意味世界中どこでも行ける状態だったんです。
そんな時高校の先生から、「住みたい場所をまず決めろ」って言われたんです。それでいろいろ考えた結果オーストラリアに住みたい!となって、その次にオーストラリアのどの大学にしようか、というふうに選んでいったんです。
私は福岡に移住したときも同じ感覚でしたね。まずは「自分がどこをベースにしたいか」というところから決めて、そこから仕事という順に考えれば、自然とその中で自分にとってのベストが選べる。ベストなものって多分唯一ではないのでその選択肢の中で自分にとっていいものを選んでいくということはできるかなと思っています。
高尾 🌳
ありがとうございます。
大木さんはどうですか。
大木 🌞
福岡を気に入ってるので福岡ベースでやりたいなとは思うんですが、東京か福岡かみたいなところでいうと、そのどちらかではないですね。
というのも、さっき峯野さんがおっしゃってたように、僕もキャリアという単語に生きざまみたいな意味合いを感じていて。僕は「好きなように生きていく」と決めてるんです。福岡も、東京も、海外も季節によって転々としたり、そういう生き方も全然あるなと思ってます。
高尾 🌳
一つを選ぶとかじゃないんですね。
「or」じゃなく「and」なんですね。
大木 🌞
そうですね。そういう自由が効くような仕事を選んだり、作ったりしていくのだろうなと思ってます。
高尾 🌳
なるほど、お三方今日は長時間にわたってありがとうございます。
九州・福岡への移住転職ストーリー
YOUTURNがこれまでお手伝いした方のうち、本イベントのゲストのみなさんの移住転職ストーリーをご紹介します。どんな葛藤を経て、今に至るのか。どんな居場所を手にしているのか。リアルな声を、ぜひ参考にしてみてください。 ▼大木さんの移住転職後キャリアモデル記事も必見です!移住転職で開眼した「プロデュース力」。福岡だからできる100倍チャレンジ
あとがき
今回のオンラインイベントも多くの方にご参加いただき、非常に有意義な時間となりました。ゲストの皆さんのリアルな声を通じて、福岡への移住転職の魅力やそのプロセスを具体的に感じていただけたのではないかと思います。特に、異業種・異職種からのキャリアチェンジというテーマは、多くの方々にとって興味深いものであり、今回のトークが少しでも皆さんの参考になれば幸いです。今後もYOUTURNは、皆さんの移住転職を全力でサポートしてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
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