「人生で一度はやりたい仕事に挑戦したい」キャリアチェンジを後押しした言葉
株式会社スカイディスクで、「AIエンジニア兼システムエンジニア」という珍しいポジションで働く近藤さん。もともとシステムエンジニアとしての経歴がありましたが、転職では未経験のAIエンジニアを選びました。
安定を取るか、新たなチャレンジを取るかで迷っていた近藤さんの背中を押したのは、YOUTURNのキャリアコンサルタントの言葉だったと言います。
転職を決めるまでの葛藤と、現在のお仕事について聞きました。
福岡より東京の仕事の方が面白いと思っていた
ー近藤さんは福岡大学の数学科から九州大学の修士課程に進み、卒業後は東京の大手IT会社に就職しました。そこでシステムエンジニアのキャリアをスタートさせます。
数学科卒業なので、ぼんやりと「ビッグデータを扱う仕事がしたい」と思って入社しました。でも入ってみたら、未経験のシステムエンジニアを任せされ、猛勉強することに。5年~6年ほど、プログラムを書いたり、システムの設計・運用をしたり、IoTプラットフォームの自社開発に携わったりしながら働きました。
色々な経験ができて良かったですし、最後はリーダー職にもなれたんですが、やはり「好きな数学を使ってAIやデータサイエンスに関わりたい」とはずっと思っていました。
ー移住と転職では、どちらを先に決断されたんですか?
移住が先ですね。私も妻も福岡出身なので、いずれ福岡に戻るだろうと何となく考えていました。ただ、当時は東京の方が高度な仕事がたくさんあると思っていたんです。
今考えると、福岡で仕事を探した経験がなかったから、そう感じていただけかもしれません。しかし当時は、東京で仕事を続けたいと考えていました。一方で、家族を含めた私の人生を考えると「福岡に帰りたいな」という思いもあって。
福岡へ移住することを、夫婦で1年ぐらい話し合いました。その結果、やっぱり私たちの人生をを優先したいし、福岡に帰っても自分に合う仕事を探せばいいだけじゃないかと。思い切って移住してみることにしました。
決断したのは2019年の9月ぐらいですが、その時は大きなプロジェクトに関わっていたため、本格的な転職活動を始めたのは年明けからです。
安定とやりたい仕事との間で葛藤
ー初めての転職だった近藤さんは、大手の技術者向け転職エージェントと、福岡に特化したYOUTURNに登録します。
不動産会社のように、転職に関しても地場に強い会社があるかもしれないと「福岡 転職」で検索し、YOUTURNを見つけました。全国展開しているエージェントより、福岡に強みがあるのではと期待して、登録することにしました。
その後YOTUTURNのキャリアコンサルタントの高尾さんから、一番最初に勧めてもらったのがスカイディスクです。もう1つのエージェントにも色々紹介してもらい、面接まで進んだところもありました。
様々な企業と話した結果、やはりスカイディスクがいいと思い、高尾さんに連絡して再び面談の機会を作ってもらったんです。
ー転職という大きな決断をする時は、色々な企業を見比べることも大切ですよね。他の会社とも話した上で、なぜスカイディスクがいいと思ったんですか?
AIエンジニアをやってみたい気持ちはあったものの、私の経歴はシステムエンジニアがメインでした。個人的にAIの勉強会を主催するなどの活動をしていましたが、業務として関わったことがなく、職務経歴書に書ける実績はなかったんです。
企業との面接で、AIエンジニアやデータサイエンティストを希望しても「インフラエンジニアとしてどうですか」と言われることが続きました。
システムエンジニアのマネージャーとしてオファーを頂いたりもして、そっちの方が先行きも見えるし、自信もあったので「AIエンジニアはもう難しいのかな」と、すごく迷ったんですよ。
でもYOUTURNの高尾さんとお話した時に、「AIエンジニアをやりたい」という希望をすごく気にかけてくれた。転職活動中、迷っていた時に高尾さんからメールが来て、「誰もが数学のバックグラウンドを持って、AIエンジニアになれるわけじゃない。でも、あなたはそれができる場所にいる」と。その言葉が響きましたね。
それで、再びスカイディスクと話をする機会を作ってもらいました。面談でAIに興味があると話したら、その場で軽く知識を試す質問をされたんですよ(笑)。AIエンジニアの実績は何もなかったけど、話をする機会を与えてくれたのがスカイディスクでした。
ー安定したキャリアより、新しくチャレンジする道を選んだんですね。
やっぱりエンジニアリングが好きだし、好きなことを続けられる人生の方が楽しいと思ったんですよね。
システムエンジニアとAIエンジニアってかなり毛色が違うので、今までのキャリアから逸れて再スタートする不安はありました。でも、ずっとやりたかったデータサイエンスの仕事を、人生の中でやらない手はないと思ったんです。
システムエンジニア以外の、2軸目を作れたらいいなと。2つ取るということは、どちらも中途半端になります。それでも、2つが混じり合う曖昧な領域の問題に取り組めるエンジニアが、稀有な存在として輝ける場所があるかもしれない。
スカイディスクの面談でそう話したら「やりましょう」と言ってもらえて、ここなら実現できそうだと感じました。
システムとAI、双方のエンジニアをつなぐ存在に
ー現在、近藤さんはAIエンジニアとしての業務が半分と、システムエンジニアとしての業務が半分、まさに2軸で活動されています。具体的にどんなお仕事をしているのですか。
今はいくつかのプロジェクトに携わっています。あるプロジェクトでは、まずAIエンジニアとして、頂いたデータに対しどうAIで課題解決するかを考えます。そこで提案したことを、今度は業務の中に組み込むために、システムエンジニアとして設計に関わっていきます。
また別のプロジェクトでは、自分でAIのアルゴリズムを作った後、そのシステムの実装まで担当しています。
ー「両方取るのは中途半端になる」と仰っていましたが、どうバランスを取っているのでしょうか。
会社側に私の思いを伝えていたので、どっちつかずにならないよう考慮してプロジェクトにアサインしてくれています。うまく両軸で走れるようにしてもらえて、感謝しています。
実際に他のAIエンジニアと働き初めて、システムエンジニアのやり方との違いにカルチャーショックも受けました。システムエンジニアとAIエンジニアではそれぞれの立場で、考え方の背景が異なるのでそれも当然のことなのですが。
システムエンジニアにとっての”当たり前”が、AIエンジニアではそうではない、その逆も然りです。私は、まずAIエンジニアにとっての”当たり前”を身につけたい。
そしてこの二つの”当たり前”を携えて、AIとシステムの境界が曖昧になる領域の難しい問題に取り組んで行きたいと思っています。
ー移住に関して、何かギャップを感じることはありましたか。
そこはあまりないですね。コロナが起こった後の移住だったので、リモートワークで外にも出てなかったですし、情報も最近は全部ウェビナーで得られますしね。それに、エンジニアの情報は世界が対象なんですよ。これまでもネットを中心に情報収集してきましたし、福岡に来ても大きな変化は感じません。
生活の部分では、東京と同じ家賃で広めの部屋に住めるのがいいと思います。道も広くてスペースに余裕を感じるし、妻も外出しやすくなったと言っています。
お互いの実家も近いので、今はコロナでなかなか会えないにしても、帰ろうと思えばすぐに帰れる。家族や地元の友達に会う機会が増えたことが、心の支えになっていますね。
<執筆後記>
1つの業種で経験を積んだ人ほど、キャリアチェンジに不安を感じると思います。加えて、住環境と仕事環境を同時に変えることは、簡単ではないかもしれません。
しかし近藤さんは、移住という大きな決断をきっかけに、「人生の中でやりたかった仕事」に踏み出しました。変化をチャンスと取るかリスクと取るかで、進む道も変わってきます。
選択を後悔しないためにも、近藤さんのように様々な企業を見てしっかり検討することをお勧めします。