福岡の地で、自律した人が集う会社|FCCテクノ座談会【前編】
2021年の代表交代後、2年間の「事業再生」期間を経て「リグロース(再成長)」への一歩を踏み出したFCCテクノ。社長の西村さんをはじめ、事業再生のフェーズから携わってきたメンバーと、リグロースに向けて新たに入社したメンバーにお話を伺いました。
【前編】では、中核メンバーの採用ポイントや、皆さんがFCCテクノという会社のどこに惹かれ入社を決めたのか、お話をお聞きしています。
スピーカー:
西村秀星さん(株式会社FCCテクノ 代表取締役)
緒方伸一さん(同 執行役員)
仲田哲也さん(CEO室兼Solution部マネージャー) 仲田さんの移住転職ストーリーはこちら
中元曜子さん(CEO室マネージャー) 中元さんの移住転職ストーリーはこちら
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現在のFCCにおける中核メンバー。採用ポイントとは
――まずは、緒方さん(執行役員)の入社経緯をお聞かせください。
緒方:2021年に前職のスタートアップから次のキャリアを考えていたとき、転職エージェントからFCCテクノを紹介されました。
「福岡にある創業60年の会社で、事業再生の局面にあり、緒方さんと同じ高専卒かつ同い年の代表(西村氏)が、何もないところからチャレンジしようとしています」と。これは話を聞くしかないと感じました。
西村:緒方は私が一番初めに採用した人です。これから事業を続けるうえでの“スタンダード”になる人を求めていて、20人ほど面接したところでした。
面接ではありのままを伝えていました。「幹部候補を探しています。正直、会社には、売れるものも人も、夢も希望もありませんが機会だけはあります」と。皆さん「面白そうですね」とは言うものの条件も聞かずに離れてしまって。
緒方は「面白そうですね」と先に進もうとしたので、逆に私から「本気ですか」と何度も確認したほどでした。
緒方:話が合理的かつ率直だったので、信頼できると思ったんです。FCCテクノの歴史に頼ることなく、いちから事業を作り上げる環境に自分が身を置けるとワクワクしました。西村が会社を「土」や「水」に例える通り、良い土や水があれば何とでもなるという考えにも共感しました。
西村は「FCCテクノという会社は単なる箱。自由闊達に皆が自分自身を生きる会社を作りたい」と本気で考えて実行していました。それを一緒に作ることができたらハッピーだと思ったんです。毎日社内に配信する「にしむら通信」からも、カルチャーを根付かせようとする思いを感じましたね。
西村:新体制における採用第一号が緒方であったことは、私たちの再生を大きく進めました。緒方は、私が考える新しい組織の在り方に共感し、修羅場にも身を挺して挑み、職員を変えていきました。人がいれば会社は変わり、事業も戦略も生まれていくのだということに改めて気づかされました。
――仲田さん(CEO室兼Solution部マネージャー)は2022年10月に入社されています。西村さんが「リグロース」を意識してからの入社ですね。
西村:面接での仲田の印象は抜群でした。ロジカルで、答えの出し方がエレガント。「一緒に働きたい」と感じましたね。
ハートのある人物だったことも、仲田が入社してくれてよかったと感じるポイントです。理詰めで考えると人情は切り捨てられがちですが、彼はその上をいっています。効率的に物事を進めるには、人情的であったほうがうまくいくと。徹底したリアリストで、FCCテクノのキーマンの一人です。
仲田:面接ではいつも通りに、気になることを聞いただけです(笑)。
――中元さん(CEO室マネージャー)も同じ時期の入社ですね。
西村:中元からは、事前準備の周到さが伝わりました。100ページほどある会社の資料や私のブログを読み込んで、FCCテクノを理解しようとしていましたね。
スキルベースで自分がやりたいことを述べる人が多いなか、中元はこれからの人生をどう生きるか、組む相手は誰かという視点で仕事を探していました。
人事の本質はスキルよりも「会社全体をよくしたい」「一緒に何かをしたい」というマインドだと感じていたので、その場で内定を出しました。「この人と働きたい」と。
中元:カジュアル面談だと思っていたので驚きました(笑)。
西村:中元は法や制度への理解も深く、素早く着実な仕事をします。HRの枠を超え、経営企画全般を担ってくれています。
現在は、これらのメンバーを中心に、経営に関する議論を進めています。中核メンバーはある程度そろってきました。これからは、老舗中堅企業に変革を促すコンサルティング事業を共に広げてくれる方を迎えていきたいと考えています。
スキルも重要ですが、「裁量を持ちながら、自律して働きたい」、「好きな場所で好きな人たちと、しなやかに働きたい」と考えている方は、当社に合うのだと思います。
職員はひとりの「人」。自立した存在でいてほしい
――仲田さんと中元さんは、西村さんのどこに共感されたのですか。
仲田:合理的で現実的、それを率直に表現する西村のスタイルがとても心地よいと感じ、FCCテクノの経営における考え方にことごとく共感しました。
特に柔軟な働き方や制限のなさには、共感というよりも驚きました。前提にある考え方の一つが「大人扱い」です。経営が細かい管理や強制をしないため、職員には自律した振舞いが求められます。
自分の意思で決められる範囲が広く、手を挙げれば機会も得られる。自律的・自立的な人にとってはもってこいの環境です。私自身、仕事は好きですが緩急をコントロールしたい気持ちが強かったので、そういう生き方を応援してくれる環境に魅力を感じました。
中元:私も働き方の柔軟さに共感しました。子育てなどで勤務時間や場所に制約があっても、成果さえ出せれば関係ないと。代表自身がそう発信して実践する会社は少ないのではないでしょうか。だからこそ、きっちり仕事にコミットしたいと思いましたね。
前職では、「この時間までに会社に行かなければ」というプレッシャーで、子供との朝の時間も焦っていましたが、現在は心の余裕を持って子供と接することができています。
面談の際、「職員みんなが、福岡で自立して生きていけるようになってほしい」という西村の強い思いが伝わりました。職員を、単なる労働力ではなく「人」として見ているのだなと。変革を続ける会社でこの経営者と仕事をするのは楽しそうだし、自分のキャリアにも生きていくのでは、と感じたんです。
西村:中元は出社するとすごい勢いで仕事をして、17時にさっと退社します。繁忙期は、お子さんの寝かしつけが終わった夜の時間帯に、在宅で稼働している日もありますね。メリハリがすごいです。
働き方については、徹底して職員に委譲をしています。どういった時間の使い方が自身を幸せにするのか、仕事も私生活も関係がないと考えています。
職員が納得できないような意味のないルールで縛るよりも、会社側が働きやすい環境をしっかり整え、成果を出してもらう方が生産性は上がります。自分の裁量のもとで動ける人が集まった会社を福岡の地で作り、広げていくのが私の理想です。
続く【後編】では、それぞれの捉えるFCCテクノの「リグロース」について、お話をお聞きしています。(2023年11月24日公開予定)