自分がいなくなっても何も変わらない東京
— 井上さん、本日はよろしくお願いします。YOUTURNのサイトに訪れる、U・Iターンを検討している方、また、グッドラックスリーに興味を持っている方の琴線に触れるようなお話しを伺えたらなと思っています。自社の採用活動でリクルーティングする際に、最近話しているホットな話題がありますよ。
— ぜひ聞かせてください。東京から僕がいなくなっても、前職の会社から僕が退職していなくなっても何も変わらなかった、という話です(笑)。ただ、僕が福岡に戻ってきて、この会社に自分がいたからこそできたことはあったと思っています。自分にしかできないことをやる。それこそ生きる意味だろうって思うんです。 僕自身、前職で結構活躍していたつもりでいたんですが、そんな自分でさえ、退職していなくなったところで何も変わらなかった。
— その思いは僕も感じたことがあります。前職の役員を病気で退任した後に、「あ、自分がいなくても会社がまわってるぞ」って。自分がやらなきゃダメなんだと思ってハードワークしていたのは一体なんだったんだろうと。一方で、うちのリードキャピタルのドーガンは「ドーガンがいるから福岡のスタートアップが育つ」と言える存在ですよね。もっと言うと、「ドーガンの林さんがいるから」とも言える。たぶん、中村さんも2〜3年で「中村さんがいたからこの会社が立ち上がった」という事例が出て来ると思う。福岡に限らず地方って、そんな事象のかたまりですよね。
— いい意味で属人的というか。そうなんですよ。「自分しか出来ないことをやるのが生きる意味なんじゃないの?」と思います。やっぱり、人生の時間は限られているから、生きる意味は大事です。
— 個人として必要とされるということですね。会社の看板を背負った一担当というよりも。そうですね、僕がもし株式会社グッドラックスリーを立ち上げなかったら、福岡で「エアリアルレジェンズ」という開発費を4億円以上投じたゲームタイトルは世に出なかっただろうし、「人生のメソッド英進館編」も「大賀薬局編」もなかったはずですよ。自分がいなければ起こらなかったことが起きている。そういうことがあるから人生って楽しいんだって思うんです。
まあ、人類という大きな視点で見るとささいな変化なんですが。それでもやはり、自分の人生の中で考えると、結構大きなイベントですよ。人類にとって、一つ一つはもしかしたら非常に小さい変化かもしれないですが、それをきっかけに波紋が広がり、何かが大きく変わるムーブメントになる可能性もあるはずです。その可能性を掴みに行けるのは、「地方」なんじゃないのって気がしているんです。
地方が「個人の存在」を際立たせる要因
— 東京よりも地方のほうが「個人をより際立たせる」わけですね。では、東京と地方の違いを生み出す要素って何だと思われますか?多分、2つありますね。「常識の逆」と「違うものの掛け算」の2つの要素です。
常識では、「やる気があって能力がある人は、上京したり世界に出たり」ですよね。でも、イノベーションとかスタートアップとかって、その逆をやるから生まれるわけじゃないですか?地方で挑戦することはある意味で「常識の逆」です。
「常識の逆」だから、化学変化が起きるんです。かつ、U・Iターン人材には、福岡でずっとやってきた人とまた違うものが備わっているので、お互いの「違うものの掛け算」で、今まで福岡の人材だけでは起きなかった化学変化が起きます。
例えば、僕と外国人社員3人で写真を撮影する機会があったんです。その中に、ジョンという陽気なアメリカ人がいて、いざ写真撮影しようとなったときに、ジョンが突然「シャッター切るタイミングでジャンプしよう!」と言い始めたんですよ(笑)。「ジャンプしたら楽しくね?」みたいなノリで。
たぶん日本人同士で撮影していたら、この絵にはならないと思いますよ(笑)。あとで写真送りますね。

— 写真撮影ひとつとっても、「違うものの掛け算」で予想外のことが起こるんですね(笑)
ビジネスにおいても同じことですよ。東京のスタートアップは、プレIPOでも10億〜20億円の資金調達をしているわけじゃないですか。でも、福岡だと珍しいわけです。東京水準のファイナンス感覚から、福岡は2〜3年遅れている気がします。だからこそ、そういったファイナンスができるU・Iターン人材が福岡の会社にジョインすれば、その会社の2〜3年分の成長を早められますよね。
「あなたが今の東京の会社を退職してもその会社は回っていくでしょう。でも、あなたが福岡にきてくれたら、会社レベル、産業レベルのインパクトが出ますよ」、ということですね。ファイナンス、マーケティング、HR領域は福岡では特に弱いので、インパクトが大きいと思います。
会社情報
所在地 | 福岡県福岡市中央区天神3-14-31 天神リンデンビル2階 |
設立年月 | 2013年2月 |
従業員数 | 56名 |
関連業界 | ゲーム/アプリ/エンタメ |
url | http://www.gl-inc.jp/ |